展示が始まった三国祭の武者人形山車と記念撮影する地元住民=5月19日、福井県坂井市三国町山王4丁目

 北陸三大祭りの一つ、三國神社(福井県坂井市三国町)の例大祭「三国祭」が5月19日幕を開け、勇壮な6基の武者人形山車(やま)の展示が各当番区の格納庫で始まった。例年は中日(20日)に三国町旧市街地をにぎやかに練り歩くが、ことしは新型コロナウイルスの影響で町衆の心意気が詰まった山車は出陣せず、じっと我慢の年となった。21日まで。

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 県指定無形民俗文化財の三国祭。約260年の歴史を誇る山車巡行をはじめ、神輿(みこし)や各種催しは感染リスクを考慮して取りやめ、山車の展示のみにした。

 ことしの山車番は岩崎区「本多忠勝」、中元区「勧進帳」、三国祭保存振興会「明智光秀」、真砂区「太閤 豊臣秀吉」、下錦区「武田信玄」、松ケ下区「暫(しばらく)」。午前10時ごろ一斉に山車を入れた格納庫の扉を開け、およそ1年かけて準備、制作を進めてきた自慢の山車を披露した。神社前では汗ばむ陽気の中、親子連れらが訪れて静かに山車を見上げていた。

 同振興会はNHK大河ドラマ「麒麟がくる」に合わせて「明智光秀」を奉納した。白馬に乗った、りりしい顔つきで躍動感あふれる出来栄え。頭部を制作をした「山車の会」の男性(25)は「形になっただけでもうれしい。ただ山車が町内を練り歩く姿を見たかった」と残念がった。

 例年は山車6基が集結する神社前の自営業男性(70)は「山車番や囃子方(はやしかた)のさみしさは図りきれない。コロナが少しでも早く収束し、来年は熱気あふれる祭りに戻ってほしい」と願っていた。

 三國神社では神事が営まれた。例年は地元の女児4人が「浦安の舞」を奉納するが、休校の長期化でけいこができず、指導役の女性(20)がしなやかな舞を披露した。

 同振興会は期間中、山車を見学する際は、マスク着用など感染予防対策の徹底を呼び掛けている。

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