故・大林宣彦監督は、多くの素晴らしい映画を遺してくれました。その中でも、大林監督を語るにあたり、絶対に外せない作品がこの『HOUSE ハウス』です。本作は、当時CM監督として活動していた大林監督が東宝と組んで撮ったアイドル×Jホラー映画の元祖と言える作品です。

 ヒロインは7人の少女たち。池上季実子が演じる主人公のオシャレは、幼い頃に母を亡くした女の子。ある日、父親の再婚話にショックを受け、ド派手な新しい継母との避暑を避けて、伯母が住んでいる羽臼(はうす)邸で演劇部の合宿を行うことになります。当時、映画『JAWS/ジョーズ』に対抗して作ったこの作品は、人食いサメならぬ人食いハウスのお話。可愛い女の子たちが次々と家に食べられていっちゃいます。

 にかく映像の全てが最初から最後まで実験的でカオスの一言。大林監督は当時できる全てのエフェクトや編集技術を全て取り入れたそうですが、今観てもそのガチャガチャ感がエキサイティング。しかもこの映画、もちろん35ミリフィルムで撮ってるんですよ! 実は先日、映画関係者とのトークライブ配信に参加したのですが、大林監督の話が出た途端一番に盛り上がったのがこの映画でした。ワンカットごとが、本当に映像のおもちゃ箱をひっくり返したような映画ですが、一度観たら絶対に忘れられない不思議な映画です。その超絶フリーダムな映画作りで私たちを楽しませてくれた大林監督の原点が詰まった映画なので、亡くなった大林監督の映画を観てみたいという方にはオススメの最初の一本です。(森田真帆)★★★★★

 原稿を書き終わったときに、ゴダイゴのギタリスト、浅野孝已さんの訃報が飛び込んできました。ミッキー吉野が小林亜星と共に音楽を担当し、ゴダイゴ名義でリリースされたサントラも最高なので是非この機会に。

監督:大林宣彦

出演:池上季実子、大場久美子

「HOUSE ハウス 【東宝DVD名作セレクション】」

DVD発売中

2500円+税

発売・販売元:東宝

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