【論説】新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている都内の「福井ご縁の店」を支援しようと、福井市が会員制交流サイト(SNS)を使い、テークアウト情報などの発信に一役買っている。福井の食材を使っていたり、観光PRに協力したりしている飲食店であり、売り上げアップにつながる取り組みになってほしい。

 地域の飲食店のテークアウト情報をSNSで拡散する大分県別府市発のプロジェクト「エール飯」にならった取り組み。「お客さんが店に来ないので、テークアウトに挑戦する」「東京から食材や加工品の発注がなくなった」。首都圏で福井の物産の販路拡大を担う市東京事務所が、集客に苦しむ福井ご縁の店と、受注減を訴える福井の生産者や加工業者の声を聞いたのがきっかけだったという。

 市東京事務所が開設したフェイスブックページ「みんなで食べエール!」では、店側がテークアウトメニューや交通アクセスなどの情報をPR。東京事務所職員や利用客らが、感想やお薦めメニューなどを書き込んでいる。送料がネックとなって福井の食材を使ったメニューは多くないようだが、売り上げが伸びコストが下がれば、利用増につながるはずだ。

 SNSで飲食店を応援する動きは、自治体や住民有志などがリードする形で全国に広がっている。県内では専用サイトの「おうちdeレストラン」や「TAKEOUT(テークアウト)さばえ」、フェイスブックページの「#頑張ろう福井グルメ」などが開設されている。

 緊急事態宣言が継続している都内でも、区や市単位で同じようなプロジェクトがみられる。ただ福井市の取り組みは、エリアを限定せずに福井にゆかりのある都内すべての店を応援する点が他と異なっている。

 休業していた都内の飲食店は徐々に営業再開しているが、「コロナ前」のにぎわいには遠い。生活様式が変わり中食需要が定着するとの見方もあり、飲食店を取り巻く環境は不透明だ。市東京事務所はフェイスブックに加えて、インスタグラムやツイッターでの情報発信にも取り組むがまだ十分浸透していない。

 これまで福井のPR活動に協力してきた店を守るため、福井市の取り組みを手助けしたい。都内に住む友人や知人らに利用を呼び掛けるなど、県内からも応援できることはあるはず。「コロナ後」に福井のPR活動を再開するとき頼もしいパートナーとなるよう、店との絆を強める機会にしたい。

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