スポーツクライミングの廣重幸紀選手

 今まで通りに学校へ行ったり部活動をしたりできない中で、競技能力や体力、モチベーションを維持することはとても難しいと思います。

 私自身も目標にしていた大会の延期が何度も続き、気持ちをつくり直したり調子を合わせ直したりしなければならず、今までにない事態に困惑していました。仕方がないことですが、練習環境にも制限がかかり、今(4月22日現在)でも全くクライミングができない状況です。

 最初は喪失感や練習できないことへの焦燥感、先行きの見えない不安にさいなまれた時期もありましたが、今ではだいぶ落ち着いています。こんな時だからこそ、できることに目を向けようと考えるようになったからです。

⇒中高生へあなたもメッセージを送りませんか

 家にいてもできることはたくさんあります。私はもう一度身体の使い方を見直すために過去の試合動画を見返したり、コーチに送ってもらった基礎的な筋力トレーニングのメニューをこなしたりしています。

 トレーニングをする時に1人でモチベーションが高まらないときは、友達と連絡を取り合ってそれぞれの家で同じトレーニングをしています。大会へ向かう目標がなくても、知恵を絞って日々を充実させることが心身を健康に保ってくれます。

 この状況の中で、時間や行動全てがストップしているかのような錯覚に陥りますが、皆さんの人生の時間は止まってはおらず限られています。今まで通りの生活が戻ってくることを祈りつつ、自分自身にできる最善のことを考えて行動しましょう。

 皆さんの年齢は身体だけでなく心の成長期でもあります。この逆境もチャンスに変えて、どんな時でも強く心豊かに生きてくれることを願っています。

⇒【前を向こう】中高生にアスリートからエール

 ■ひろしげ・ゆき 武生高校―福井大学。福井県スポーツ協会所属。鯖江市出身。小学5年でスポーツクライミングを始めた。日本代表として国際大会の経験多数。2017年愛媛国体は成年女子2冠、福井国体はリードで3位に入った。158センチ。24歳。

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、スポーツ大会が相次いで中止に追い込まれた。汗と涙をぬぐって頑張ってきた成果をどこにぶつければいいのか、と悩む中高生のみんなを勇気づけたいと、福井出身の選手たちが自らの体験を踏まえたエールを寄せた。

 福井出身の選手たちが福井県の中高生アスリートにエールを送る「前を向こう」。福井新聞は「前を向こう」で紹介した選手への激励メッセージを募集します。選手たちに皆さんから激励メッセージを送りませんか?選手に届けます。 →メッセージ投稿はこちらから

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