【論説】小浜市の若狭高生が市内の飲食店を元気づけている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で、打撃を受ける店のテークアウト情報を会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックで発信。テークアウトの「食べたくなる写真」を広く募る企画も展開し、支援の輪を広げている。「みんながつながり助け合う場になれば」と行動を起こした高校生とともに、各店を応援したい。

 食品テークアウトや物販情報をまとめたサイトは「食のまち小浜テイクアウト情報」。若狭高3年生の村宮汐莉さんが4月6日に開設した。

 学校内外でボランティア活動に取り組む村宮さんは自身も休校で授業を受けられない時期に「食のまち小浜を応援したい」と思い立った。ワッフルやケバブ、ピザ、魚料理、日替わり弁当、オードブルなど各店のメニューは多彩。このサイトがきっかけで、休業を取りやめ、持ち帰りを始めた店もあるという。

 村宮さんの行動はこれだけにとどまらない。小浜市が5月、18歳以下にテークアウト購入チケット(5千円)を配る「おうちでごはん」事業を始めると、同級生の友本早耶さんと一緒に、テークアウトの写真を募る「小浜おうちでごはんフォトコンテスト」を始めた。

 フェイスブックや画像投稿アプリ「インスタグラム」に投稿してもらい、入賞者に千円分のチケットを贈る企画。「外出自粛でたまりがちなストレスを写真投稿で発散してほしい」と友本さんは話す。家庭と飲食店を支援する市の事業に連動させ、チケットの利用促進にも一役買っている。小浜商工会議所青年部が開設するテークアウト情報サイトと連携し、中高年ら向けにSNS以外でも発信できれば、支援の輪はさらに広がりそうだ。

 高校生の取り組みに賛同する市内の店は「高校生が柔軟な発想で頑張ってくれているんだから、大人も頑張らないと」と奮い立つ。各店のテークアウトは好評で、「道の駅若狭おばま」の軒先では複数の店が合同で弁当を販売。売り切れることも珍しくない。市民も商品選びを楽しみながら店の魅力に触れ、「事態が収束したら店に行ってみたい」という声も聞かれる。

 ただ、店の窮状は深刻だ。「弁当だけでは今月の売り上げは10万円にも届かない」と声を落とす。自粛が緩和され、店を再開できたとしても「果たしてお客さんが来てくれるのか」と不安は尽きない。そうした店を支えるため今、私たちに何ができるか。高校生が提案してくれたように、我慢を続けながらテークアウトで「おうち時間」を楽しみ、店の踏ん張りを支えたい。

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