福井銀行の窓口(右)と福邦銀行窓口(左)が同居し業務を開始した両銀行の小松支店=5月11日、石川県小松市

 福井県の福井銀行(本店福井市)と福邦銀行(同)の包括提携に基づき、石川県小松市にある福邦銀小松支店が近くの福井銀小松支店内に移転し5月11日、業務をスタートさせた。連携によるコスト削減や効率的な店舗運営が狙いで、路面店に異なる銀行同士が同居するのは全国初。店内は間仕切りされ、両行の行員はそれぞれの窓口で来店客を応対した。

⇒福井銀行と福邦銀行が包括提携発表

 両行は3月に包括提携を締結。「Fプロジェクト」と銘打ち、セミナー共同開催、ビジネスマッチングの連携、事務共同化などでシナジー(相乗効果)を追求し、5年間で40億円の連携効果を目指す。店舗の共同化・集約は提携の柱の一つで、今後両行の約20店舗を集約する方針。小松支店のような形態の共同店舗は県内でも検討する。

 従来の福邦銀小松支店は、福井銀小松支店から南に約30メートル離れた位置にあり、築50年以上と老朽化していた。福井銀小松支店は鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積約920平方メートル。移転により、1階の来店客ロビーだった場所に福邦銀の窓口業務が入り、2階倉庫に同行の渉外担当の執務室を設けた。

 同居した支店内では福井銀の行員14人、福邦銀6人が勤務。行員の通用口は別々で、セキュリティーや顧客情報もそれぞれで厳格に管理するが、トイレは共用という。来店客が混同しないように正面玄関の入り口付近には両行の窓口位置を明示する案内板を設置した。店舗内のATM(現金自動預払機)は両行名が併記され、両行の顧客の入出金は手数料無料。

 この日は福井銀の湯浅徹・取締役兼代表執行役常務、福邦銀の中村毅取締役が訪れて合同朝礼を行い、午前9時から業務をスタートさせた。来店した福邦銀の顧客で白山市の70代無職男性は「銀行の共存は珍しいけど、効率的な運営につながるなら良いこと。ただ混雑しないかが心配」と話していた。

 福邦銀の中山一彦支店長は「3年前異動してきたときはライバルの意識しかなかったが、まさかこんな日が来るとは。福井銀の良いところは取り込んでいきたい」。福井銀の上修一郎支店長は「福邦銀とはそんなに客層はかぶっていない。連携できる部分は仲良くやり、お互い競い合うところは競い合いたい」と話した。

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