Moi(フィンランド語で“こんにちは”)!去年の12月から福井に移住して株式会社akeruで働いています、一越(いちこし)です。コロナウィルスの影響で、まだまだ外出自粛を余儀なくされていることと思います。「Stay home」「おうち時間」という言葉に代表されるように、自宅で過ごす時間が一時的に増えている方も多いのではないでしょうか。

“今まで、家の中にいることがあまりなかったから、どのように時間を過ごしたらいいか正直分からない。”

“誰とも会わないことで、すごく孤独や寂しさを感じてしまうのだけれど、どうすればいいのだろう。”

SNS上でもこれらと似たニュアンスの投稿を時々見かけます。

今回の記事では、

・おうち時間との向き合い方
・孤独や寂しさの考え方

についてフィンランド人の知り合い30人にアンケート調査をして気づいたことを踏まえながら書いていきたいと思います。若干哲学的な内容にもなりますが、「おうち時間」につ
いてもう一度向き合ってみたい方はぜひ読んでみてください。

■北欧特有の長く寒く暗い冬。フィンランド人は家で過ごす時間も長い

フィンランドはオーロラが観測できるほど寒く、冬はマイナス30度を越すこともあります。さらに、日照時間が短いのも気候的な特徴の一つで、私が留学していた頃も10時に日が昇り、15時には沈んでいくこともありました。しかも日が昇っているといっても、冬の空は曇りであることが多く、ほとんど太陽を拝めません。気候的な特徴から長く寒く暗い冬を過ごすことが多いフィンランド人。そうなると自然と「おうち時間」も増えていきます。

フィンランドでは元々、自宅にいる時間が長いため、現地の人たちは工夫して自宅での生活を満喫していたなというのが私の印象として残っていました。

・フィンランド人はどのように「おうち時間」を考えているのか
・家にいて孤独や寂しさは感じないのか
・もしあるとしたら、その気持ちにどのように対処しているのか

そんな疑問がいくつも頭の中に浮かび上がったのと同時に、これを言語化して「おうち時間」にもやもやしている人に一つの過ごし方のヒントとして伝えられたらと思い、フィンランド人の友人にこれらの疑問を聞いてみることにしました。

 

■調査から分かったフィンランド人の三つの考え方の傾向

主に聞いたのは以下の項目です。

・孤独を感じることはあるか。それはどんな時か。
・なぜ孤独を感じていると思うか。その時に何をしているか。
・1日家にいる時間をどう思うか。そんな時何をしているか。それはなぜか。
・ストレスの対処法として何をしているか。

最終的に約30人の友人に答えてもらい、様々な回答が得られました。そして、その回答を
通してフィンランド人の三つの考え方の傾向に気づきました。

・一つ目:孤独や寂しさを理解している

面白いなと思ったのは、フィンランド人が孤独や寂しくなるということ、そしてそれがどういう状態なのかということを言語化して理解できているということでした。ひとりの時間が多かったり、何もすることがない時に寂しさを感じたりすることが多く、その理由として、気持ちの共有ができないことが主に挙げられていました。

・二つ目:「おうち時間」について、肯定している人が半数以上おり、孤独とはあまり感じていない

現在の外出自粛の状況に関して、否定的に感じている人もいるものの、半分以上の人が肯定的に捉えているということが分かりました。退屈であると感じる一方で、この状況を理解しており、自分ひとりでもできることに時間を充てていたりします。また、考え方の一つとして、常に外出することなんてなく、「人と会わない時間があるのも当たり前だ」というふうに日常的な感覚として捉えている人もいました。

・三つ目:自分なりの「おうち時間」の過ごし方がある

「おうち時間」の過ごし方については、様々な回答が得られました。料理や家事をする人、ゲームや読書をする人。友達や家族に連絡をする人。その人によって自分なりの回答が挙げられましたが、この点に関しては日本人も同じ過ごし方をしているのではないでしょうか。

■調査から分かった「おうち時間」との向き合い方

今回のアンケート結果を通して、私なりに考えたフィンランド人の考える“孤独”と“おうち時間について”をまとめていきたいと思います。結論として共通して言えるのは“受け入れて、行動している”ということです。

フィンランド人は孤独について当たり前にあるものとして受け入れています。孤独は自
分の身の回りにいつでも付き纏い、切り離せないもの。その現状を受け入れ、自分は○○という方法で対処する。といった個人の解消法で解決しています。そして、今回のコロナウィルスによる外出自粛に対しては、社会と切り離されて孤独になっているとはあまり感じていません。むしろ、「そういう時もあるよね」という風にどちらかというと肯定的に捉えて、料理や読書など自分の趣味の時間に充てています。そういう意味で、コロナの一件ではあまり孤独と捉えておらず、もし仮に孤独だなと感じた場合は、自分なりの対処法で解決しています。

また、「おうち時間」に関しては“特別なことではないため、特別なことはせず、この現状を受け入れる”という思考があるのではないかと思いました。コロナウィルスによる経済への打撃や自由行動の制限がかかっているという意味では、特別なことではないと完全には言い切れません。「これが普通だとは何事だ!」と不快に感じる人もいるでしょう。しかし、家に長時間いるという事実は決して特別なことではありません。個人に影響しうる本質的な事実を特別ではないと受け入れて、その現状に対して容認して自分ができることを考え、生活しているのがフィンランド流の生き方なのではないかと思います。現在はワクチンが完全に開発されていないため、脅威となっているコロナウィルスですが、広範で考えるとインフルエンザや風邪と同じ分類にあたります。極端に避けたり怖がったりするのではなく、適応して共存していくという考え方も複眼的思考として尊重されるべきなのではないでしょうか。

■「おうち時間」をどう活用するかは人それぞれ、考えていく過程を大切に

自分の胸に手を当てて考えてみてください。自宅にいるから孤独な時間が増えている。何かしなくちゃいけない。と思ってはいないでしょうか。この時間を無駄にしないように何かしなくちゃいけないと思うことは非常に大切なことであり、新しい可能性や自分の在り方に出逢えるかもしれません。一方で起きている現状を見つめて、孤独になっているな、と受け入れて自分が今できることは何か。と考えて行動する。そして、自己と対峙しながら現代の流れに抗わずに普遍的にできることを続けることも1つの方法やマインドセットとしてあってもいいのではないかと思います。

冒頭でもお伝えさせていただいたように、今回の記事はやや哲学的な内容です。哲学とは当てのない荒野の中をただひたすらに蛇行して進むようなもので、明確な正解や答えはありません。むしろ、自己と向き合い、考え続けることこそが本質的な価値でもあります。ですので、この記事を読んで、何か答えを見つけたり具体的な行動をしたりしなくてもいいと思っています。「おうち時間」を自分の中でもう一度考え、どうしていきたいか、どうありたいか、そうやって考えるその過程にこそ価値があり、素敵な生き方のヒントになるからです。記事を読んでいただいた時間が、自分なりの“おうち時間”の在り方や考え方を模索する一助になったら嬉しいです。
 

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