新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 福井県内で検出された新型コロナウイルス株のうちゲノム(全遺伝情報)解析が終わった66人分は、ほぼ同じ“系統”と判明したことが5月10日までに、福井県への取材で分かった。県は国立感染症研究所(感染研)から詳細な情報提供を受けており、66人分のゲノム配列はいずれも、欧州で流行しているウイルス株を基点にしたものとみられるという。

 感染研は、県衛生環境研究センター(福井市)から提供された66人分を含む国内の562人分の陽性検体を集めてゲノム解析し、海外で登録されている4511人分のデータと比較した。4月下旬に発表した研究結果では、1~2月に中国・武漢から持ち込まれた第1波の封じ込めに成功した一方、欧米経由の第2波が国内に拡散したと指摘。武漢株から変異し、欧州で流行しているウイルス株が、3月中旬までに日本国内に流入したとみている。

 県は感染研から「単一の遺伝子型を示すウイルス株が、福井県内でクラスター(感染者集団)を形成した」と詳細な情報提供を受けたという。県保健予防課によると、県内66人分のゲノム配列はいずれも欧州で流行しているウイルス株を基点としたもので、「国内第2波の典型例とみられる」としている。

 同課は「クラスター対策で感染経路を追っていく手法が、県内では有効だったことがゲノム解析からも裏付けられる」と分析する。一方で今後、異なる“系統”のウイルス株が県内で見つかれば、これまでのクラスターとは別の経路で入ってきたことになり、次の感染の波が広がる恐れがあると指摘。「引き続き警戒が必要」としている。ほかの検体も感染研で順次、ゲノム解析が進められる。

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