心地よい眠りのこつ

 生活リズムが不規則になりがちな今こそ、基礎となる睡眠を見直してみよう。福井県立大学看護学科の有田広美教授がポイントに挙げるのは、運動と朝に光を浴びること。早寝より朝の早起きが大切という。「『よい眠り』は一人一人違う。それぞれに合った睡眠を」とアドバイスする。

 心地よい眠りに就くために、有田教授は以下の5点を挙げる。

 ▼活動量を増やす

 人間は「恒常性維持」という、睡眠が不足すれば眠り、十分なら増やさない仕組みが備わっている。よく眠るためには、第一に運動など日中の活動量を増やすこと。昼寝は午後3時ごろまでに、30~60分程度にとどめる。「寝だめはできません」

 ▼体内時計を整える

 朝起きたらカーテンを開け、光を浴びること。体内時計がリセットされ、夜に睡眠を促すホルモンが分泌されやすい。カーテンを少し開けて寝ると簡単。

 逆に夜は強い光を避ける。テレビやスマホ、タブレット端末を使う学習などは日中がいい。

 ▼深部体温を下げる

 脳や臓器の温度をさす「深部体温」が下がっていくとき眠気が生じる。就寝1~2時間前に、散歩やストレッチといった軽い運動やぬるめの風呂に入り、就寝時に深部体温が下がっていくようにする。激しい運動や熱い風呂は逆効果。「個人差があるので基準はなく眠気が覚めない程度に」。日中の運動は深部体温を高め、夜との温度差がつくれる意味もある。

 ▼リラクセーション

 副交感神経の活動が活発になり眠気を誘う。入浴剤や足湯、アロマ、音楽などもいい。

 ▼温熱環境を整える

 自分にとって心地よい室温にする。寒い日は、寝る前に電気毛布などで布団の中を温めてもいいが、ずっと温めると体温が放熱せず寝苦しくなる。寝床に入ったら電源を切ることを勧める。

  ◇  ◇  ◇

 狂った生活リズムを立て直すためには、早寝よりも、まず早起き。「悪循環を断ち切るには、眠くてもいつもの時間に起きましょう」。体内時計が整い夜は自然に早寝できる。

 有田教授は、よい眠りについて「時間と質が関わるが、個人差が大きく一概に基準は示せない」とする。短時間で疲れが取れる人もいれば、そうでない人もいる。夜トイレに起きても、また寝られるなら「全く問題ない」という。「『よい眠り』にとらわれないことこそが大切」と訴えている。

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