苦しさを乗り越えようと誓い合った羽水高校女子バスケ部の3年生ら=5月8日、福井県福井市の羽水高校

 新型コロナウイルスの影響で、福井県では5月末に予定していた県高校春季総合体育大会が中止となり、多くの3年生が部活動を引退する。羽水高校では5月8日、女子バスケットボール部の“引退式”があった。部員6人は、集大成の大会を失った無念さを抱えながらも「厳しく楽しかった2年間を、この先に生かしたい」と前を向いた。

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 顧問の林えり教諭が、登校日に合わせ開いた。休校中も部員とは連絡を取ってきたが「どうしても顔を見て話したかった」という。

 体育館に集まった6人は一人ずつ思いを語った。主将の黒田麻優子さんは「両親に応援してもらいながら10年以上バスケをしてきた。最後に北信越に連れていきたかった」と悔やむと、他の部員もうなずいた。

 最後の部活動は、休校が一時解除された4月上旬。加藤茉乃さんは「こんなふうに終わるなんて思ってもみなかった」。千綿優愛さんも「なぜあの練習で、あの試合でもっと頑張れなかったのかな」と涙ぐんだ。

 今年1月の北信越高校新人大会県予選会はベスト8に入り「(県春季総体で)4強を本気で狙える世代」(林顧問)として、練習に打ち込んだという。山口愛さんが「バスケ部で学んだことはずっと消えない」と仲間や顧問に感謝すると、小林梨唯さん、牧田佳寿美さんも「悔しさをバネに受験勉強を頑張ろう」と話した。

 林顧問は「今はつらいけれど、経験は人生の中で絶対に生きてくる。エネルギーに変えて次の一歩を踏み出して」と励ました。

 羽水高ではこの日、男子硬式テニス部も顧問が引退する部員を集めた。他校でも多くの顧問が電話で激励したり、引退式の場を検討したりしている。ある進学校の教頭は「いつ引退なのかと戸惑っている3年生が少なくない」とし、区切りを付ける意味で「学校の本格再開後に何らかの対応を考えたい」と話した。

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