新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 厚生労働省は5月7日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として国内で初めて、米製薬会社が開発した「レムデシビル」を承認した。米国で1日に緊急使用が許可されたため、海外での承認などを条件に国内審査の手続きを簡略化できる特例承認制度を適用。申請の3日後という異例のスピード承認となった。

 レムデシビルは副作用が指摘されているほか、治療効果の評価は定まっておらず、投与には細心の注意が必要となる。投与の対象は原則として人工呼吸器を付けるなどした重症患者となる。国内の供給量が限られるため、当面は国が医療機関を通じて必要量を把握して管理し、重症者がいる医療機関に優先配分する。

 レムデシビルはギリアド・サイエンシズが開発。ウイルスの増殖を抑える働きがあるとされ、当初はエボラ出血熱の治療を目指した。静脈注射で投与する。副作用として吐き気や肝臓、腎臓の機能の悪化が指摘される。

 米国立衛生研究所(NIH)が発表した約千人を対象とした臨床試験(治験)では、レムデシビルを投与された人は、投与されなかった人に比べて回復にかかる日数が約30%短くなった。死亡した人の割合も投与された人は8・0%で、投与されなかった人の11・6%よりも低く抑えられた。

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