2020年秋からの福井県内市町の子ども医療費助成

 福井県外への若者流出や少子化が続く中、同県内で子どもの医療費を中学3年生まで原則無料としている14市町のうち9市町が今秋、対象年齢を18歳または20歳に引き上げる。県の支援増額で浮いた財源を充てる。既に18歳まで対応している3町を含めると計12市町になる。一方、5市町は財政難などを理由に対象年齢を引き上げない。住んでいる市町によって負担の差が生じることに不満の声が上がる。

 ◆「ずっと住んで」 

 県内では現在、最低でも中3までの医療費が原則無料(一部自己負担あり)となっている。県と市町で小3まで助成し、市町単独で小4以上を助成している。

 多くの市町は、県の助成対象年齢の引き上げを要望していた。県は今秋から中3まで拡充すると決め、2020年度当初予算に10億7538万円を計上した。

 県の支援拡充で浮く財源を生かし大野市は10月から、助成対象を中3から県内最高の20歳(19~20歳は県内の大学・専門学校などに通う学生のみ)まで一気に拡大すると決めた。市の担当者は「若者や子育て世代を手厚く応援することで、大野にずっと住んでほしいというメッセージを込めた」と狙いを強調する。

 あわら、坂井、勝山、鯖江、越前市、敦賀、永平寺、美浜の8市町も今秋から18歳まで引き上げる。南越前、おおい、高浜の3町は既に18歳までとしている。

 ◆苦しい財政

 一方で福井、小浜、越前町、池田、若狭の5市町は、助成対象が現行の中3までのままとなる予定だ。

 「嶺北では福井市を除く全市が助成対象を引き上げた。市長は悔しくないのか」。3月定例福井市会の予算特別委員会で鈴木正樹委員(共産党)は、継続的な治療が必要な疾病があり多額の医療費がかかっている市内の女子高校生を例に「嶺北の他市なら支援されるのに福井市では支援されない」と声を張り上げた。

 市の子ども医療費助成事業の19年度予算9億189万円のうち、市の一般財源は5億7555万円。今秋からの県の支援拡充で市は、20年度の一般財源が3293万円減り5億4262万円になると見込む。

 予算特別委で担当部長は「限られた財源の中で少子化対策に力を入れる」として、2人目の子どもを希望する子育て世帯の経済的負担を減らす施策に県と取り組むと説明。東村新一市長も2度答弁し「子育て支援と医療費助成の二つともできればよいがそこまでの財源はない。無理に手を突っ込むと財政赤字という結末を迎える」と苦しい財政事情を説き、理解を求めた。

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