休館中の映画館。5月20日までの休業要請延長が決まった=5月5日、福井県福井市中央1丁目のテアトルサンク

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた政府の緊急事態宣言が延長されたことを受け、福井県が5月5日に打ち出した休業要請の延長。県内の事業者は苦悩の中で「仕方がない」と受け止めているが、要請に応じた協力金の上積みを求める声も出ている。

 ■「覚悟していた」

 テアトルサンクなどを運営する伊井興業の専務は「国が月末までの休業を要請している中で、10日ほどの前倒し。もっと長い休業も覚悟していた」と語る。4月18日から2館5スクリーンは全て休館。ドラえもんや名探偵コナンなどのドル箱映画の公開が軒並み夏以降に延期となっている中で、旧作の上映も視野に再開を模索してきた。ただ「学校は休校中だし、再開後も客足は見込めない。これまでのマイナスをカバーすることは到底不可能」と頭を悩ませている。

⇒【表】福井県の休業要請対象施設(5月7日以降)

 あわら市の温泉地「あわら温泉」の旅館経営者も「予想していた。最優先に協力したい」と冷静だ。むしろ懸念しているのは、緊急事態宣言が解除された後のかじ取り。「経済がこれだけダメージを受けると、一斉にお客さまが戻るとは考えにくい。忘新年会を例年並みに開くところも少ないと思う」と危機感を募らせ「空港からの移動手段がバスからレンタカーに代わり、ツアーの個人化、縮小化も進むのではないか。経営方針をしっかり議論しておく必要がある」と先を見据えた。

 ■「途方に暮れる思い」

 「約1カ月半収入がない。この先いつまでもつのだろうと途方に暮れる思いだ」と語るのは、鯖江市内でスナックを経営する女性。家賃負担だけでなく、従業員の中には子どもがいる女性もいて、店の蓄えからの持ち出しで生活を支えている。「休業を求めるなら、ある程度の補償もしてもらわないと。このままだと次々と店がつぶれていく」と不安をにじませた。

⇒緊急事態宣言5月31日まで延長、首相が表明

 小浜市内でパブを営む男性も「6日までだと受け止めて我慢してきたので厳しい」とため息を漏らす。4月は赤字だったとして、協力金の上積みがなければ「20日まで休業して協力金を受け取るのと、諦めて営業を再開するのと、どちらが得か悩むところも出てくるかもしれない」と懸念した。

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