夜空を彩った花火=5月5日夜、福井県越前市高木町

 新型コロナウイルスの感染拡大で沈んでいる市民の気持ちを盛り上げようと、福井県越前市の花火打ち上げ師の男性(29)がサプライズの花火大会を展開、これまでに仲間と4回打ち上げてきた。最終5回目となった5月5日も25発の大輪を夜空に咲かせ、有終の美を飾った。

 男性は同市高木町の「上木銃砲火薬店」の跡取りで、「越前市サマーフェスティバル」など多くの花火大会を手掛けている。感染拡大の影響で、今年は大半の花火大会が中止されることもあり「外出自粛でストレスがたまっている皆さんに元気を届けたい」と企画した。

 4月4日から週1回、25発ずつ打ち上げてきた。密集を避けるため、毎回事前の告知はしなかった。「自分にしかできないことで多くの人を元気にしたい。少しでも役に立てれば」と費用は全て負担した。

 この日は午後3時から店近くの水田に同級生ら4人と打ち上げ筒を設置。「疫病退散祈願」と手書きした花火玉を次々と仕込んでいった。同7時半に打ち上げが始まり、直径100メートルを超えるものや医療従事者にエールを込めた青色の花火が夜空に輝いた。

 これまでの4回の反響は大きく「元気をもらえた」「ありがとう」などの声が届いているという。この日も近くの夫婦が「すごく元気をもらえた」と笑顔を見せていた。男性は満足げな表情で「企画して良かった。終息後に明るい未来が必ず待っているはず。あと少し頑張りましょう」とメッセージを口にした。

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