フェンシングの佐藤希望選手

 部活動の自粛が一時的に解除された3月末に、母校の武生商高へ顔を出しました。フェンシング部を指導するためです。部員のみんなは久しぶりの再会がうれしい様子でした。

⇒【前を向こう】中高生にトップアスリートからエール

 再び部活がストップし、大会が相次いで中止になった。ニュースなどで知ると「あの子はどうしているだろう」と、みんなの顔が浮かんできます。

 私も高2の時、地元福井で開催予定だったシニアの国際大会に初めて出られることになり、楽しみだったのですが、SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響で中止になりました。悲しかったのを覚えています。3年生の気持ちを思うと、何と声を掛けたらいいのか…。

 高校時代は本当に練習がきつくて、何度も辞めようと思った。ボイコットしたこともあります。すぐに先生に謝りましたけど。

 あの苦しさを乗り越えたから今があります。生活する態度や、時間の効率的な使い方まで、生きていく上でのベースを学びました。中高生の皆さんも、これまでやってきたこと、今やっていることが、後に生きると思ってほしい。こういう状況だからこそ「今しかできないことをする」意識を持ってください。

 1年先に延びた東京五輪を目標にすると決めました。もし2年延期なら引退していたでしょう。子どもが2人できて、忙しさは子ども1人の時の倍以上です。体力も衰えます。でもやると決めたからには前を向きたい。

 しばらく地元の越前市に戻っています(4月16日現在)。近くの日野川沿いを走っていると、ランニングする高校生とすれ違うんですよね。何の部活かは分かりませんが、歯を食いしばって進んでいるなって。私も頑張ります。皆さんも、どうか頑張ってください。

  ×  ×  ×

 ■さとう・のぞみ 国高小学校-武生三中学校-武生商公庫-日体大学。大垣共立銀行所属。女子エペ種目でロンドン五輪代表、リオデジャネイロ五輪8位。3大会連続となる東京五輪出場を目指す。2018年福井国体は成年女子エペのエースとして福井を優勝に導いた。2児の母。173センチ。33歳。

  ×  ×  ×

 新型コロナウイルスの感染拡大で、スポーツ大会が相次いで中止に追い込まれた。汗と涙をぬぐって頑張ってきた成果をどこにぶつければいいのか、と悩む中高生のみんなを勇気づけたいと、福井出身の選手たちが自らの体験を踏まえたエールを寄せた。

 福井出身の選手たちが福井県の中高生アスリートにエールを送る「前を向こう」。福井新聞は「前を向こう」で紹介した選手への激励メッセージを募集します。選手たちに皆さんから激励メッセージを送りませんか?選手に届けます。 →メッセージ投稿はこちらから

関連記事