平日午前の小学校の校庭。休校が続き、児童の姿はない=4月下旬、福井県福井市順化小学校

 新型コロナウイルスの影響による福井県内の小中高校の休校は約2カ月に及び、今月初めまでに再開の当面の延長も決まった。日常だった登校ができず、子どもたちのストレスは高まっている。嶺北の中学校でスクールカウンセラーを務める県公認心理師・臨床心理士協会の岡本克己会長(61)は「感染への不安から、再開しても学校に来ることができない子どもが増えるのではないか」と危惧する。保護者に対しては、子どもの張り詰めた心をほぐすため「日々の言動から成長した部分を見つけ褒めて」とアドバイスする。

 各学校は電話などで子どもたちの様子を確認しているが、担任教諭の家庭訪問ができない状況。岡本会長は、子どもたちの心理状態について「自身への感染や学習などへの不安は絶対ある」と指摘する。県外のスクールカウンセラーとの情報交換では、感染の恐怖のほか、保護者が夜の仕事をしている家庭や一人親家庭の子どもが、経済面の不安を口にする事例があったという。

 「今まで以上に保護者に近寄ってきたり、元気がなく急に不機嫌になったりするのはSOSのサイン」だとして「目を見て優しく話すことで安心につながる」と助言する。会話の中で、例えば祖父母の感染を心配したのであれば「他人を気遣うことができるようになったとして成長と捉えることが重要」と呼び掛ける。

 一方で、インターネットなどでは感染者への誹謗(ひぼう)中傷や偏見などの情報も散見される。岡本会長は「子どもだけでインターネットに触れるのは避けるべきだ」と警鐘を鳴らす。その上で「コロナの情報に触れる時間を限定する。新聞やニュース番組を一緒に見るなどして、正しい情報のみを取り込むようにする必要がある」と注意を呼び掛けた。

⇒休校延長で福井県独自の在宅授業開始

 子どもたちは休校や外出自粛で先生や友達にも会えず、体を動かして遊ぶこともままならない毎日を送っている。「ゲームばかりやっているとしかるのではなく、決められた寝起きの時間を守ることができればいいぐらいの余裕を持ってほしい。子どもたちは、経験したことのないつらい状況を工夫して乗り越えようとしているのだから」と話した。

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