防災訓練で避難所開設を体験する市民=2019年10月、福井県越前市国高小体育館

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、福井新聞社は災害時の避難所運営について福井県内17市町にアンケートを行った。現状の避難所運営マニュアルの感染症対策で新型コロナに対応できるか聞いたところ、マニュアル拡充に着手していた越前市を含め14市町が「十分ではない」と回答、残りの3市も「分からない」とした。避難所でのマスク不足や要支援者への影響など、各市町からは課題も多く示された。洪水や土砂災害が発生しやすい出水期を控え、新型コロナ対応が急務である状況が浮き彫りになった。

⇒【D刊】福井県内の市町、避難所での感染拡大に危機感

 密閉、密集、密接が重なる場所は新型コロナの感染リスクが高いとされるが、避難所には多くの人が集中する可能性があり「3密」の状況が起こりやすい。アンケートは県内市町の認識や対策の進捗を探るため、4月21~23日に実施した。

 既存の感染症対策では不十分とした14市町のうち、大野市は「感染が疑われる人の隔離スペースがとれない」ことを理由に挙げた。鯖江市も「同じ狭い空間に不特定多数の避難者が集まる場合、感染拡大の防止は困難」とした。

 「分からない」としたのは福井市、坂井市、勝山市。坂井市は「ウイルスの正体が完全に見えていない」ため、対策が十分なのか判断できないと回答した。

 懸念や課題を尋ねたところ、避難所での感染拡大のほか▽マスクや消毒液など衛生品の不足(越前市、永平寺町、越前町)▽感染を恐れ避難しない住民が出てくる(越前町、池田町、美浜町)▽既に症状がある人や濃厚接触者として自宅待機している人、無症状感染者の対応(福井市、大野市、越前市)―などが挙げられた。

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 また、避難時に手助けが必要な高齢者や障害者ら要支援者についても「支援する人が接触を気にして支援が行き届かずに避難できないケースが発生する」(美浜町)と影響を危惧する声があった。

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