新型コロナウイルス対策に取り組んでいることを示す福井県美容業生活衛生同業組合の張り紙=福井県内の美容室

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて福井県が出した休業要請を巡り、理美容業界にいる人たちから、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に意見が寄せられた。同業界では要請が出されておらず、感染の危険性に「正直、怖さしかない」と不安を訴える一方、経営を考えると「退いても地獄」と複雑な胸中を打ち明ける。⇒「ふくい特報班」LINE友だち登録はこちら

 また、これらの意見を基に他の業種を調べると、100平方メートル以下に休業要請のない学習塾からは線引きへの不満や疑問の声が聞かれた。要請に従わない業者がいるネットカフェ業界では、地元業者が批判の声を上げた。

⇒学習塾 面積で線引き疑問

⇒ネットカフェ 2店舗要請従わず

 ふく特には、美容室に勤務する女性からの意見が寄せられた。「お客さんが怖い」と話すのは、嶺北地方の30代女性。美容室は不特定多数の人が出入りするため「絶対に安心な場所ではない」と強調する。客が来ないと給料がもらえないという複雑な気持ちもあるが「今は命が最優先。本当に今、カラーをする必要があるのか、どうしてもカットをしなければならないのか、一度考えた上で行動をしてほしい」と訴えた。

 一方で嶺南地方に住む女性は「コロナに対する危機意識が低い」と憤る。だが、雇用されている身で「経営者には強くは言えない」。また、客に対しては「『外出自粛で行くところがないから』と来られる人がいる。距離が近い施術のため、正直怖い」と感じている。

 東京都や愛知県では自主休業の理美容室に給付金を支給することにしており、「福井県も同じようになってくれたら、休めるのに」と語る。

 嶺北で美容室を経営する50代女性は、取材に対し、「寝られない日々が続いている」とこぼした。3月下旬から予約のキャンセルが相次いでおり「ほぼ開店休業状態」。ただ「私たちは日銭商売で、閉めたら店が回らない。一方で開店を続けたら、スタッフや客にコロナ感染の危険が伴う」と苦悩の胸の内を明かした。

 雇用調整助成金などは、いつもらえるか不透明な上、終息後に今までと同等の売り上げが見込めるとも限らない。「どうせなら一斉に休業要請してほしかった」と話す。現在は、スタッフと話し合いを重ね「できる限りの予防策を取って」開店を続けている。

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