【論説】坂井市内の観光地域づくりをけん引する一般社団法人「DMOさかい観光局」が今春発足した。坂井、三国、丸岡の既存3観光団体が今後一本化される。2023年春の北陸新幹線県内開業が迫る中、一つのチームとして地域の魅力を高めることができるのか成果が問われる。

 DMOとは、官民の観光に携わる関係者と連携し、戦略的な情報発信やプロモーションで観光客を呼び込む事業に取り組む法人のこと。観光庁が候補法人の登録を募っている。登録により国の交付金、関係省庁からの支援が受けやすくなるメリットがあるため、全国で登録を目指す動きが活発化している。

 県内の状況をみると、市町村をエリアとする「地域DMO」に、17年に小浜市の第三セクターまちづくり小浜(おばま観光局)、20年には勝山市の市観光まちづくり会社が登録されている。DMOさかいは今後、6月上旬をめどに候補法人の申請を出す予定だ。

 旧4町が合併して誕生した坂井市には、市観光連盟、三国観光協会、丸岡観光協会があり、DMOさかいは3団体の事業を継承し、市全体の観光推進組織へと移行することになる。

 なぜDMOなのか。市内には東尋坊、丸岡城といった全国に誇れる地域資源がある。しかし「各観光地がばらばらにやっている印象を受ける」との指摘があり、観光地の磨き上げのほかに名所を周遊できるような仕組み作りが急務になっている。

 さらに観光客が通り過ぎるだけでなく、長く滞在し消費してもらえるような仕掛けも必要になる。DMOさかいは、観光推進母体になるよう3団体との調整を早急に進め、スムーズに組織の再整備を実施したい。

 本年度は▽マーケット調査▽プロモーション事業▽観光案内所のネットワーク事業―などを展開する。地域で頑張っている事業者やプレーヤーを発掘し支援する体制も整えてほしい。

 北陸新幹線金沢―敦賀間の開業は3年後に迫り、残された時間は決して多くない。沿線の小松、加賀温泉、芦原温泉駅に最速の「かがやき」が停車してもらえるようJR側に働きかける動きもある。

 新型コロナウイルス禍の終息を見据え、今後各地で誘客合戦が展開される中で、坂井市域が取り残されないよう危機感を持ちたい。観光地の広域連携、市民のおもてなし機運醸成など課題は山積している。それだけに船出したばかりのDMOさかいの役割は重要になるだろう。

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