疫病よけの文化財をウェブ上で閲覧することができる特別展示=福井県の小浜市食文化館

 休館中の小浜市食文化館(福井県)が、「新型コロナウイルス早期収束祈願」と銘打ち、市内に伝わる疫病よけの札や朱印などの文化財を、ホームページやSNS(会員制情報サイト)といったウェブ上で特別展示している。「古くから人々は疫病に苦しめられてきた。そのたびに必ず打ち勝ってきたことを知ってほしい」と話している。

 同館は新型コロナ感染拡大防止のため、4月7日から5月6日まで休館している。人が密集しない形での展示を企画し、計8点を公開している。ホームページからファイルをダウンロードできるほか、フェイスブックや写真投稿アプリ「インスタグラム」で公開している。

 戦国時代の小浜の豪商、組屋六郎左衛門は、疱瘡(ほうそう=天然痘)の神様をもてなした。感謝した神様は六郎左衛門の名前入りの札が張られた家には入らないと約束した、と伝説が残る。それにちなんだ「若狭小濵組屋六郎左衛門」と書かれた守り札や、疱瘡の神を書いた御影を紹介している。

 このほか、多数の犠牲者を出した疫病を鎮めようと始まったと伝わる「奈胡の六斎念仏」(福井県無形民俗文化財)、疫病から人々を救うために造られた木像釈迦如来坐像、「十二天像」のびょうぶ絵も紹介。病気を治す御利益があるという飯盛寺、神宮寺の御朱印もある。

 一矢典子学芸員は「昔の人々は、今よりも死や病気が身近で、何とか打ち勝とうと祈りを込めてきた。新型コロナウイルスの感染が広まる中、そういった信仰や思いがあったことに関心を寄せてもらえれば」と話している。

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