「できることで協力したい」と語る尹泰充社長=4月21日、福井県福井市大手2丁目

 福井県内での新型コロナウイルス感染拡大により対応できる病床数が逼迫する中、「福井フェニックスホテル」(福井市大手2丁目)が4月24日から、民間施設として県内で初めて軽症・無症状患者の一時生活施設として運用される。医療機関は重症者らの治療に専念できるようになり、軽症患者は療養生活の質の向上が見込める。同ホテル経営会社の尹泰充(ユン・テチュン)社長(53)は「ホテルは地域の基地としての役割がある。できることで協力していく」と思いを語った。

 ―軽症・無症状患者の受け入れ施設に応募したのは。

 「2011年の東日本大震災で、宮城県南三陸町の『南三陸ホテル観洋』は震災直後から、避難した住民の受け入れを行った。その後もスタッフが力を合わせ、地域復興や語り部として活躍している。2度、訪問して話を聞き、災害時にホテルは地域の基地として何らかの役割を果たさなければならないと強く感じた。県庁や福井市役所に近いこともあり、行政へ協力する意味でもいっそう(役割を果たさなければと)思っている」

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 ―新型コロナの現状をどう見ている?

 「災害と同じだと思う。中国湖北省武漢市の状況を見ていて、福井でも感染拡大でベッドが足りなくなることもあるだろうと予想していた。連日仕事に追われている県職員や医療従事者の頑張っている姿を見て、できることはないかと考えていた」

 ―風評被害などへの不安はないか。

 「むしろこうした事態に貢献できればと、ためらいはなかった。唯一心配していたのは従業員への感染リスクだ。県と話し合う中で、しっかり対策すれば、不特定多数のお客さんを相手にするよりもリスクは低いということだったので、安心している」

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 ―今後の展望は。

 「2、3月ごろから、この問題は長期化するのではないかと思っていた。医療関係者からは患者の容体が急変することなどを聞いている。早く感染を止め、(新たな感染者や感染して入院している人を含め)感染者ゼロを目指すことが大事だ。さまざまなことで自粛が求められる中、人々が以前のように行き来できるようにするため、できることで協力していく。それは自分たちだけでなく、世界中の人たちにとって必要なことだと思う」

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