特別警戒へ出動するパトカー。福井県警の警察官・職員は、マスク確保に苦慮している=4月13日、同県警本部前

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが不足する中、警察や消防などの治安維持の現場でもマスク確保に苦慮している。福井県警の警察官や職員は総勢約2千人。市民の安全安心のため業務の停滞が許されないとはいえ、確保が難しい状況は捜査機関といえども変わらない。「個々に配布はできていない。確保は自助努力に頼らざるを得ない」のが現状だ。

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 県警厚生課によると、現在警察署などに配備されているマスクは、鑑識や検視など、業務上不可欠な活動の備品として想定されているもの。枯渇すれば捜査活動に支障を来す恐れもあり「感染防止用として容易に回せない」(同課)。

 警察業務は、窓口対応や聴取、取り調べなど市民と対面することが多く、全国で警察官や職員の感染が相次いでいる。福井弁護士会は4月7日、取り調べ時などの感染防止対策として、取調官のマスク着用や関係者同士の距離への配慮などを、会長名で県警本部に要請した。県警も情勢に応じて積極的なマスク着用を警察官らに指示している。厚生課の尾上栄一健康管理室長は「感染しない、させないためにもマスクは必要。納入が可能な限りで現場に配布できるよう努めていきたい」としている。

 福井市消防局も、苦しい現状は同じだ。救急出動時のサージカルマスクは当面分確保できているが、感染予防のための署員らへの配布はない。「市民の方も入手しにくい中、公費で確保することははばかられる」(同局総務課)面もあり、確保に向けては、販売のあっせんがあった業者を署員に紹介するにとどまる。

 業務の性格上テレワークや在宅勤務も難しく、フロアの分散や出勤人員の調整などで対応している。同課は「通常通り勤務できることが、市民の安心安全につながる。マスク着用などの自己防衛に合わせ、心構えの徹底を図っている」。

 県医薬食品・衛生課によると、警察や消防への感染予防用のマスク配布や販売業者の紹介などは現時点で検討していない。

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