妊婦さんの新型コロナウイルス対策は?

 新型コロナウイルスについて「妊婦さんは特に感染しやすいとか、重症になりやすいというわけではなさそうです」。心配しすぎる必要はありませんと、福井大学医学部附属病院産科婦人科の折坂誠医師は話す。確実な予防や対策など、「今できるベストを尽くしてください」という折坂医師に、妊婦の注意点などを詳しく聞いた。

■心配しすぎないで

 -妊娠中は新型コロナにかかりやすいですか?

 「未知な部分が多いですが、今のところ感染しやすい・重症になりやすいというわけではなさそうです。妊婦は特殊な免疫状態(免疫寛容、赤ちゃんを受け入れるため免疫反応を少し緩めた状態)にありますが、免疫力が低下しているわけではありません。胎児の異常や流産、死産を起こしやすいこともなさそうですし、心配しすぎる必要はありません」

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 -感染が疑われる場合はどうすれば。

 「妊娠中に37.5度以上の発熱が2日以上続く、息苦しさや強いだるさを感じた場合は、かかりつけ医でなく、県内の新型コロナ相談窓口に電話して指示に従って。家族に濃厚接触者や感染疑いの方がいる場合も窓口に必ず連絡を。人にうつさないことも重要です」

 -出産直前にかかったらどうなりますか。

 「現時点では、感染中あるいは強く疑われる妊婦の出産は帝王切開もやむをえないとされています。これは医療スタッフの感染、さらには産科医療の崩壊を防ぐ意味合いもあります。福井県では、妊婦の感染に備えて産科施設を細かく役割分担しており、かかりつけ医からの転院を指示されることもあります。出産方法は感染防護の設備にもよりますので、施設に確認してください」

 -不妊治療をしている場合は。

 「妊娠初期の感染の影響がまったく分からないため、新型コロナが落ち着くまでは治療の延期を提案するよう推奨されています。とても辛いですが、ほかの病気の手術も軒並み延期されるほどの非常事態なのです。どうか今しばらくお待ちください」

 -予防はどうすれば。

 「▽こまめな手洗い▽人との距離をとる(3密を防ぐ)▽外出を避ける▽マスクをする-が大切。状態が安定していれば、健診を1~2週間延ばすことも許容されています。その代わり、普段から自宅で体重や血圧を測ることをお勧めします。出血した際や、よくおなかが張る、胎動がわかりにくい時は必ず連絡を」

 -仕事に行くのが不安な場合は。

 「厚生労働省が、妊婦の時差通勤やテレワーク活用を企業側に強く働きかけています。ホームページの内容を参考にし、安心して働ける方法を勤務先と相談できるといいですね」

 -そのほか、平常時と違う対応はありますか。

 「感染のリスクを高める里帰り出産や立ち会い分娩、家族の面会は極力控えるように指導されています。授乳の際は予防のため母乳をいったんしぼり、哺乳瓶で飲ませるなどの制限が出ることも。新型コロナとの闘いはもうしばらく続きそうです。元気な赤ちゃんに出会うため、今できるベストを尽くしてください。『あなたが産まれたときは本当に大変だった』と笑って話せる日がきっと来るはずです」

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