福井県内のPCR検査件数の推移

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、「なぜ全ての濃厚接触者にPCR検査を行わないのか」「濃厚接触者を検査しないので、周りの不安も解消されない」という声が福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられている。福井県は国の基準にこだわらず検査対象を広げているが「医療資源には限界がある。検査の優先順位は付けざるを得ない」というのが実情だ。⇒あなたの疑問を徹底取材します「ふくい特報班」

 PCR検査を受けられる国の基準は▽37・5度以上の発熱が数日続く▽肺炎の症状がある―などに限られるが県は、独自に基準を緩和し▽だるさ▽熱っぽさ▽のどの変調▽味覚や臭覚の異常―といった症状でも検査している。

 さらに症状がなくても、感染者との接触度合いや年齢、基礎疾患の有無などを基に保健所や医師が必要と判断した場合、濃厚接触者の定義に当てはまらない人も含めて積極的に検査しているという。

 県内の検査件数は4月以降に急増し約千件に達している。4月中旬に入り1日当たりの検査可能数を1・5倍の198件に増やした。ただし県保健予防課は「可能数はあくまで最大値。この先ずっと同じペースで対応できるかは分からない」という。防護服や検査キット、医師や看護師のマンパワーなどの医療資源にも限度があり「希望者全員を検査して不安を解消することは難しい」と話す。

 「ふく特」には「同僚が濃厚接触者となったが検査してもらえない」「ご主人が感染したが、奥さんは症状が出ておらず検査を受けられない」などの声が寄せられている。県担当者は不安を抱えて検査を求める全ての人の思いには「申し訳ないが、今は応えられない」と打ち明けた。また無症状の段階で検査をした場合、陽性反応が出にくい傾向があるため、陰性となって安心してしまい結果的に感染を広げてしまう恐れもあるという。

 「ふく特」には「濃厚接触者の段階で隔離はできないのか」という疑問も寄せられた。県は濃厚接触者には外出を控えるよう要請し、保健所から1日1回は連絡を入れて健康観察をしている。とはいえ「法的に行動を制約できるわけではない」(県保健予防課)ため、感染拡大防止は県民の行動自粛にかかっているのが現実だ。

 希望があれば濃厚接触者も「一時滞在施設」として県が借り上げた民間のホテルに滞在できるよう検討している。公募に対し協力を申し出ているホテルもあるという。

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