全国を対象とした緊急事態宣言を受け、報道陣の取材に応じる福井県の杉本達治知事=4月16日午後8時40分ごろ、福井県庁

 安倍晋三首相は4月16日、新型コロナウイルスの感染増加に対応する緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大した。7日に発令した東京、大阪など7都府県から対象地域を追加。新たに対象となった地域の知事は、法的根拠のある外出自粛要請が可能となった。期間は5月6日まで。感染拡大に歯止めをかけ、医療崩壊を防ぐには、大型連休中を含めた人の移動を全国一斉に抑える必要があると判断した。16日夜に効力が発生した。

 緊急事態宣言の対象が全国に拡大されたことを受け福井県の杉本達治知事は16日夜、事業者への休業要請に関し「外出自粛の効果も見ながら、必要があれば個別の業種や施設を検討していきたい」と述べた。併せて休業に対する支援金なども検討する考えを示した。

 杉本知事は県庁で記者団の取材に応じた。「人口当たりの患者数は全国2番目で医療は逼迫(ひっぱく)している。さらに緊張感を持って対策に当たっていきたい」と語り、県民には「状況が大きく変わったわけではない。既に示している行動指針に沿って冷静に対応を」と呼び掛けた。

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 福井市中心部の繁華街の夜の来訪者数が6割以上減っている一方、ビジネス街では約2割の減少にとどまっていると強調し、県民に改めて外出自粛を要請。「テレワークやシフト、通勤時間帯の見直しなど経済界の協力が必要」とし、17日にも県経団連に協力要請する考えを示した。

 政府は基本的対処方針を改定し、感染者が急増する北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の6道府県と、7日に宣言を先行させた7都府県の計13都道府県について、特に重点的な対策を進める「特定警戒都道府県」と位置付けた。

 緊急事態宣言は改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく私権制限を伴う措置。海外のような都市封鎖(ロックダウン)は想定していない。

 同時に、今月下旬からの大型連休に向け、不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたぐ移動の自粛を要求。「最低7割、極力8割の接触削減を何としても、実現しなければならない」と力説した。17日夜に官邸で記者会見を開く。

 政府は16日夕、専門家で構成する諮問委員会に、宣言対象を全国に拡大することを提案。担当の西村康稔経済再生担当相は感染者が急増している地域として北海道など6道府県を挙げた。

 神奈川県の黒岩祐治知事は取材に「特定警戒都道府県の13都道府県は学校の休校を要請し、その他は知事の判断に任せることで合意した」と述べた。政府の基本的対処方針は、その他の地域に関しても「都市部からの人の移動などによりクラスター(感染者集団)が発生し、感染拡大の傾向が見られる」と指摘した。加藤勝信厚生労働相は諮問委で「医療現場が逼迫(ひっぱく)する状況も生じている」と強調した。

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