新型コロナウイルスの感染拡大で全国的にマスクが品薄となる中、福井県越前町は4月16日、町民に対し1世帯10枚をめどにマスクの販売を始めた。町内4カ所に販売所を設け、感染防止のためドライブスルー形式で対応した。町役場前駐車場には、朝からマスクを求める車で長蛇の列ができた。
町はこれまでにも高齢者施設や妊婦、基礎疾患を持つ住民らにマスクを提供してきた。さらに住民に安心してもらおうと、町が入手したマスクを10枚500円で販売することにした。
町民は先月末に広報誌と一緒に配られたチラシと引き換えに、マスクを購入できる。この日は計3万枚を用意した。町役場前駐車場では朝から車が並んだため、午前9時の予定だった販売開始を急きょ1時間前倒しした。
10枚購入した70代女性は「ずっと不自由していて、使い捨てマスクを洗って再利用してきた。店に行っても売っていないので、とても助かる」と喜んでいた。
ドライブスルー形式を発案した内藤俊三町長は「スピーディーに販売でき、やって良かった。マスクが品薄な中、町民の需要は非常に高いと実感した」と話した。「町内にまだ感染者はいないが、いつ発生してもおかしくない。引き続きマスク着用や手洗い、外出自粛といった防止策を呼び掛けたい」と述べた。
販売は22日まで続ける。町役場のほか織田、宮崎、越前の各コミュニティセンターで午前9時~午後5時。問い合わせは町防災安全課=電話0778(34)8721。