医療従事者への風評事例を報告し、偏見を持たないよう訴える医師ら=4月15日、福井県福井市の県医師会館

 福井県医師会は4月15日、福井市の県医師会館で記者会見を開き、新型コロナウイルス感染症に対応している県内医療従事者への風評被害が深刻化していると訴えた。池端幸彦会長は県民に対し偏見を持たないよう理解を求め「対策を正しくとっていれば感染リスクはない。不安を抱えながら闘っている医療従事者には、ねぎらいの声を掛けてほしい」と呼び掛けた。

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 県災害医療コーディネーターを務める東裕之医師(38)=県立病院救命救急センター医長=が同席し、指定医療機関などから寄せられた事例を報告した。東医師によると、周りの人に「近寄らないで」と避けられたり、家族からも「帰ってこないで」と言われたりするケースがあり「病棟でも疲れ、家に帰っても心身を癒やせない医療スタッフが増えている」。看護師の家族が職場で出勤を拒まれ、感染症病床の業務から離脱せざるを得なくなった事例もあるという。

 東医師は「全ての県民が『自分が感染しているかも』との認識を持って感染予防を心掛けることが、医療者を含めたさまざまな人の助けになる。一緒に立ち向かってほしい」と力説した。

 池端会長は県民向けのメッセージの中で「最前線の医療従事者は不安や恐怖と闘いながら日夜治療に当たっているが、心ない風評に悩まされている」と強調。「偏見を持たず、『ご苦労さま』『ありがとう』という声を掛けてほしい」と繰り返し訴えた。

 また、県医師会の対応策として▽(今後稼働するものも含め)県内2カ所の一時生活施設に医師各1人▽増設された専門外来1カ所に医師2人_を、それぞれ交代制で派遣する取り組みを説明。県内の新型コロナ対応病床について「県と協力して(一時生活施設を含めて)500床を目標に確保を進める」とした。

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