飲食店経営、今すべき事コンサル解説【ゆるパブ】

こんにちは。ベルベールというカフェと経営コンサルタントとWEB作成などいろいろやっている「ゆるパブメンバー」平等(たいら)です。どの業種でも1ヵ月休むということはとてもリスクの大きいことです。私は飲食店を経営するコンサルタントなので、飲食店を中心に如何に経営を続けていくことが難しいかということを伝えてみます。そして、経営を続けることの難しさだけではなく、今私たちにできることは何か?を問いかけたいと思います。

単純に売り上げがない状態であれば、それは廃業するしかないのです。しかし、今回のような有事の際には廃業という選択肢以外にも、経営を維持することやピンチの時こそチャンスを見出す方法、コロナウイルス終息後の行動の考え方などを伝えていくことにより、「まち」に活気が戻ると信じています。

【現在の状況】
複数の友人の店舗などの状況を聞いてみましたが、営業時間短縮とお持ち帰り対応で前年対比30%~60%の売上ということです。私の店舗は完全営業自粛しているためもちろん0%。売れ残っている食材は自家消費することでできるだけ自分たちの現金を減らさないようにしています。(もともと現金の余裕はありませんが(笑))

さて、今営業自粛している状態で何をしているかですが、お持ち帰り対応するための準備だけではありません。長年経営している飲食店の見直しの時期でもあります。

そこで、飲食店の収益構造を確認してみましょう。

【飲食店の収益構造】
飲食店は、華やかで儲かる印象がありますが薄利多売が基本です。飲食店の収益構造は下の表を見てください。よく見かける平均的なカフェを例にあげてみます。(独断と偏見でかなり優秀な店舗)

【想定データ】
席数 30席 社員数(オーナー含む) 3人
客単価    1,200円    アルバイト数 5人
平均客数(1日) 60人    定休日    週1回
平均営業日数 25日 営業時間 12時間
平均売上(1ヵ月)    2,250,000円        

【売上と経費】
項目    金額    割合
売上    2,250,000 100%
           
原価    700,000    31%
人件費    900,000    40%
家賃    120,000    5%
光熱費    100,000    4%
広告費    60,000    3%
雑費    150,000    7%
売上-経費    220,000    10%

このように飲食店とは薄利の上で成り立っている職業です。イートイン主体の店舗であれば、客単価×席数×客席回転数が売上の限界です。ここにお持ち帰りをプラスすると店舗面積は変わらず客席数が増えたことになります。

しかし、お持ち帰りは原価が上がっているので利益率は若干下がります。

【なぜ原価が上がるのか?】
当たり前ですが、包装資材がプラスされるからです。弁当箱・袋・おしぼり・はし・ドレッシングを入れる容器など、それだけで1食あたり100円~200円以上行く場合があります。

しかし、減るものがあります。それは光熱費が中心です。ガスや水道など洗い物が出ないからほんの少し減ります。あと、お持ち帰りはなぜかイートインより安くしないといけない風潮もありますので、上代と利益も減ります。

【利益が減るのにお持ち帰りをする理由】
利益率が減ったとしても、売上が上がればそれだけ内部留保できるお金も増えるからです。また、売上限界を突破できるところにメリットがあります。

【安易に結論を急がないでほしい】
「じゃあ、やっぱりお持ち帰りをすればいいじゃないか!」という結論は待ってください。リスクを管理しなければ始めるべきではありません。

リスクとは、食中毒の問題・厨房の形(仕出しの営業許可)・お持ち帰り用の資材を片づける場所・スタッフ教育・周知してもらうための広告費などなど…。

このようにリスクがあることを知ったうえで、リスク管理や準備をおこなう必要があります。すべてお金がかかります。費用対効果を考えてみてください。

【イートイン営業だけでできること】
今は耐えるしかありませんが、コロナウイルスが終息したあとにどうするかを考えてください。収益構造の見直しやスタッフ教育の見直し、しちゃいけないと言われると普段してないことでもしたくなる心理でコロナウイルス終息後外食産業は特需になるかもしれません。短い期間ではあると思いますが。その時にお店側のサービスが良ければ、特需とか関係なしでそのお客様は通ってくれるかもしれません。

現在営業自粛中であれば、「価格」「メニュー内容」「接客」「店内の温度管理」「掃除」「整理整頓」「調理オペレーション」などの見直しを行える時間でもあります。普段お客様の座る席すべてに座ってみましょう。そして周りを見回してみてください。

【チャンスとはなにかを見極める】
生き馬の目を抜く勢いでSNSなどでは「うちでもお持ち帰りはじめました!」「みんなお弁当買ってね!!」と激しいアピール合戦がおこっています。そこに投稿しても次から次へと投稿されるのでタイムラインはすぐ流れていき、結局アピール失敗に終わります。しかし、お持ち帰りを始めるというのはひとつのチャンスです。

SNSの構造上、人気のある投稿などはタイムラインでも常に上の方に出てきます。それはコメントをしてくれているファンが大勢いるからです。そこに今から参入して目立とうとしてもなかなか難しい。それならば、「お持ち帰り店舗紹介サイト」への登録を行ってください。そこは静的なものなので登録しておけば見てもらえる可能性は大きいですね。このように、たった一つのことを行うだけでもその行動の仕方次第ではチャンスとなります。

【方向性を考える】
単純にお持ち帰りを始めるにせよイートイン主体で行くにせよ、経営方針の方向性を決めてから行動してください。行き当たりばったりでは常に方向修正で疲弊しかしません。

イートイン主体の方向性で行くのであれば、前述の見直しから始めてください。

お持ち帰りを今後の武器にするのであれば、前述のリスク管理の徹底から始めてください。
どちらの方向性にせよ、次は顧客ターゲットの想定をしましょう。「どこに住んでいて」「年齢層はこのくらい」「収入はこのくらい」「性別は女性(男性)」「ファミリーなのか単身か」「お店の利用頻度」など顧客になってほしいパーソナルデータを作り上げ、それに合わせたメニュー内容や価格を決めていきましょう。

【経営の見直しとは】
方向性を定めそれに沿って計画的に行動することです。まずは店内の掃除から始めてみましょう。その次は事務所の掃除、書類の整理、何ができて何ができないかの頭の整理、お金の整理(補助金や助成金、借入等)など整理整頓から始め、自分のお店を喜んでくれる顧客の想定、メニュー作り、客単価設定、原価調整、提供方法の見直し、スタッフ教育の見直し。これがチャンスの創造です。自分のことはなかなか客観視できないのでミラサポなどの無料専門家派遣制度や商工会議所のサービスなどを利用し、専門家と課題解決していくのも手段ですね。

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【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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