サワラを使った和洋2種の手まりずしなど試食会で出された料理

 新型コロナウイルスの影響で観光業界が大きなダメージを受ける中、福井県の南越前町河野観光協会は、旅館や民宿関係者に新料理開発の参考にしてもらおうと、若手料理人グループによる試食会を企画した。予約がほとんど入っていないこの時期を“充電期間”ととらえ、「再スタート時にお客さんに喜んでもらえるようなアイデアが生まれたら。お互いを高め合い、危機的状況を乗り越えたい」(同協会)と意気込んでいる。

 同地区に約20件ある旅館や民宿では、新型コロナウイルスの影響で2月初旬から3月初旬にかけてキャンセルが相次ぎ、少なくとも1千万円以上の損害が出たという。その後もほとんど予約が入っていない状況が続いており、お客が少ないこの時期に料理の腕を磨いてもらおうと企画した。

 試食会は3月、町内の飲食店「畝来(うら)」で開かれ、旅館関係者ら約20人が参加した。北前船交易で栄えた歴史や海の幸をアピールする料理を考案し、観光客に提供している地元の若手料理人グループ「炊(かしき)の会」のメンバーが講師を務めた。

 福井県が日本一の水揚げ量を誇るサワラを使った和洋2種の手まりずしや、かつては北前船で運ばれたという紅花油を使ったブリのエスカベッシュ、北前船の形に切り抜いたカボチャを乗せた炊き合わせなど6種の料理を披露。旅館関係の60代女性は「若い人が力を合わせて料理を考え、頑張っているのが素晴らしい。どの料理もおいしかった」と話していた。

 参加者アンケートでは「1品でも2品でも新しい料理を考えてみようと思った」「お互い頑張っていきましょう」などの前向きなコメントが集まった。同協会の橋本正会長は「カニの時期に直撃して大きな痛手だが、若者の斬新なアイデアを取り入れて乗り越えたい」と話していた。

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