ナイトウィッシュ『ディケイズ:ライヴ・イン・ブエノスアイレス』

 神秘的ではあるけれど、不思議と排他的な「怖さ」はない。つややかで硬質なサウンドだけれど、どこか包み込まれるようなやさしさを感じる。ナイトウィッシュの魅力など、私が今さら語ることではないけれど、国境を超え今や世界的バンドとなった彼らの「強さ」が、本作にも余すことなく込められていると感じた。

 1996年に結成したフィンランドのメタルバンド「ナイトウィッシュ」。彼らが2018年9月にアルゼンチンのブエノスアイレス“エスタディオ・マルヴィナス・アルヘンティナス”にて開催したライヴの模様を収録した本作。大きなモニターを背後に、8000人のオーディエンスと一体となった熱狂の時間が収められている。

 バンドの20周年を記念するベスト・アルバムリリースのタイミングで行われたツアーだけあり、セットリストは新旧交えて初心者リスナーの入門としてもうってつけのラインアップ。さらに約20分にわたる大曲『ザ・グレイテスト・ショー・オン・アース』もたっぷりと堪能できるのは、ライヴならではの醍醐味だ。

(ワードレコーズ・5000円+税)=玉木美企子

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