新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が2日、世界全体で100万人を超えた。3月26日に50万人を上回ってから1週間で倍増した。死者も5万人を超えるなどウイルスは猛威を振るい続け、早期終息の見通しが全く立っておらず長期戦の様相を呈している。

 3月中旬以降の感染者急増の背景には、中国から欧州、そして米国へと感染拡大の中心地が移行していくなど勢いが衰えていないことがある。一方、各国でウイルス検査態勢が充実したことも、感染者数の増加に反映されている。

 世界保健機関(WHO)が最高レベルの警戒を示す緊急事態宣言を出したのは1月30日。感染者はその2日後の2月1日付のWHO状況報告で初めて1万人を超えており、約2カ月間で100倍に増えた形となった。

 感染者が最も多いのは23万人の米国。イタリアとスペインがいずれも11万人で続いている。両国は共に死者数が1万人を超え、世界の死者の半数近くを占めている。

 新型コロナウイルス感染症は、高齢者や既往歴がある人ほど重症化しやすい。イタリア、スペイン両国の平均寿命はそれぞれ約83歳で、世界平均の72・3歳を大きく上回る高齢化社会。日本の平均寿命は世界2位の84・4歳で今後、感染が拡大した際の影響が懸念される。

 感染者数は2月までは中国が9割以上を占めていた。WHOは2月28日、地域別の危険性評価で、世界全体を中国と同じ「非常に高い」に引き上げ、世界的な流行を認定。ただし同日付の状況報告でも、感染者は55カ国・地域の約8万3千人にとどまっていた。

 3月に入ってからは、イタリアを中心とした欧州での感染拡大が急加速。WHOは感染者が117カ国・地域の約12万人に上った3月11日、事態をパンデミック(世界的大流行)と形容し、一層の危機感を訴えた。各国で外出制限や入国拒否などの動きも相次いだが、3月下旬からは米国で感染が急拡大し、歯止めがかかっていない。

■現代の主な感染症

 ウイルスや細菌が引き起こす感染症で、2018年に最も大きな被害を出したのは結核。世界人口の4人に1人が結核菌に感染しているとみられ、約1千万人が発症、約150万人が死亡した。エイズウイルス(HIV)には18年に170万人が新たに感染し、77万人が死亡。インフルエンザでは毎年、世界全体で25万~50万人、日本で1万人の死者が出ていると推計されている。はしかも18年の患者が約976万人で、乳幼児を中心に14万人が死亡した。(ジュネーブ共同)

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