柳澤織ネームが製作した布マスクに縫い付けるタグ

 柳澤織ネーム(福井県坂井市)が製作している「花粉症なんです」などと明示する、布マスク用のタグに提供依頼が相次いでいる。新型コロナウイルス感染拡大により、人目を気にしながら咳をしなければならない状況の中、依頼とともに「すてきなアイデア」「暗いニュースばかりでしたが、とても心が温まりました」といったメッセージが全国各地から届いている。

 ハンドメード作家の依頼をきっかけに製作し、柳澤治久社長(67)がフェイスブックに画像を載せた。タグの種類も「喘息があります」「アレルギーがあります」「コロナ対策です」「感染症予防」などと増やし、1人20枚まで無償提供している。本紙の報道もあり、依頼は400件を超えている。

⇒タグを作り始めたきっかけ詳しく

 提供依頼には、タグを入れる返信用封筒と一緒に、温かいメッセージも添えられている。

 「花粉症の母にプレゼントしたらとても喜ばれた」

 「喘息、花粉症ともに症状が強いので、(タグを)心待ちにしています」

 「地下鉄通勤なので」

 「従業員で分けたい」

 「かかりつけの医院に置きます」

 また、「SNSのチェック、データ入力、発送まで大変なこと。感謝の気持ちでいっぱいです」と発送作業に追われる柳澤社長を気遣う声も多く、地元の銘菓や多めに返信用切手を送ってくれる人もいる。

 「咳で白い目を向けられ、つらい気持ちがある中、手紙を書くことが心のケアになっているのかも。心のキャッチボールになり、人の温かみを感じられた」。柳澤社長はこう喜ぶ一方、「これだけオファーがあるということは、マーケットとして織ネームの一つの方向性になり得るのかな」と話している。

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