福井県越前市内に残る古い蔵を生かしたビストロ開業を目指す高田太賀さん=3月30日、福井県越前市本町

 福井県越前市の中心市街地に残る古い蔵を改装し、福井県の伝統工芸や歴史の魅力を伝えるレストランを開業しようと、東京から越前市にIターンした高田太賀さん(28)が4月10日まで、福井新聞社と福井銀行、レディーフォーによるクラウドファンディングサービス「ミラカナ」で整備資金(目標150万円)を募集している。

 高田さんは神奈川県出身。20代から飲食業界で働き始め、東京でビストロや天ぷら店の店長として活躍してきた。接客や料理、スタッフ教育など「飲食業に関係するすべての業務を学んできた」という高田さんが、福井県内の知人から飲食店開業のサポートを求められたのが昨年5月。越前市内に肉料理の店が開店するまでを支えた。

 オープン前後に何度も同市を訪れる中で引き付けられたのが、越前打刃物や越前和紙、越前箪笥(えちぜんたんす)などの伝統工芸と福井の豊かな食材。一方で伝統工芸の後継者不足や、観光地としての知名度の低さなどの課題があることも分かった。「こんなに素晴らしい素材が廃れていくことは、日本にとって損失」と感じていたところ、越前市本町にある古い蔵を生かした元飲食店の物件が空いていることを知った。

 昨年12月に長男が生まれたことも背中を押した。高田さんは「食材が豊富で自然も豊か。これから子育てをするのにとてもいいところ」と移住を決断した。

 5月のオープンを目指すビストロ「Un(アン)」は県内の伝統工芸を多数活用し、地場食材もふんだんに取り入れる。若者の県外流出に対し、高田さんは「十分な給与はもちろん、働く人の自己実現、社会とつながっている実感につながる職場を提供したい」と従業員も募集している。

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 集まった資金は、店舗内外装の追加工事に使う。5千~30万円の13コースあり、リターン(返礼)は▽食事券6千円分とオリジナルグッズ(1万円)▽フルコースディナーご招待ペアチケット(2万5千円)―などがある。

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