宮本浩次『宮本、独歩。』

 30年以上活躍するエレファントカシマシの宮本浩次による1stソロ・アルバム。本編の全12曲とにかくエネルギッシュで、それでいてフレッシュでもあり驚くばかりだ。

 例えば、『冬の花』では、昭和歌謡さながらに愛が漂流する様子を熱く歌い上げたかと思えば、『きみに会いたい』ではダンスビートに合わせて、「きみを抱きたい 全部奪いたい」とストレートな愛をセクシーに歌う。

 さらに『Do you remember?』では横山健のギターに負けじとパンキッシュにシャウトするし、『解き放て、我らが新時代』ではラップ調で熱いエールを贈る。椎名林檎との『獣ゆく細道』や東京スカパラダイスオーケストラとの『明日以外すべて燃やせ』は、宮本の歌声が加わることで各々の世界観に深みが増し、まさにコラボのお手本だ。とにかく、ラストの『昇る太陽』まで一切休みなし。こんな53歳を見たら、もう年齢を理由に断れなくなりそうだ。

 ライブベスト盤のCDには『冬の花』や『昇る太陽』が数トラックあるが、演奏スタイルや会場規模によって、宮本のノリも静かに情熱をたぎらせたり、熱く絶叫したりと異なり、まさに毎日が一期一会の真剣勝負だと教えられる。

 ブックレット(撮影:奥山由之)中の宮本は、大半が熱いが、時にはお茶目で、さながら昭和コミックのヒーローだ。本作を堪能すれば、冷ややかに静観するよりも、熱すぎるほど突っ走る方が、人生は断然カッコいいと再認識するはず。

(ユニバーサル・初回限定ライブベスト盤2CD+DVD+ブックレット 5000円+税)=臼井孝

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