関西電力は3月30日、福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から役員らが多額の金品を受け取っていた問題を受け、経済産業省に業務改善計画を提出した。第三者委員会から「誤った地元重視」が問題の背景と指摘されたことを踏まえ、6月までに工事発注や自治体への寄付を外部専門家が事後審査する委員会を新設し、透明性を確保する。

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 金品を受け取った役員ら82人に対する処分も発表、処分対象者は岩根茂樹前社長らを含め計93人となった。金品受領問題に関し、取締役が関電に損害賠償責任を負うかどうかを今後2カ月程度で判断する「取締役責任調査委員会」を同日付で新設した。

 関電が設置した第三者委員会は、問題の背景として「地元を重視するルールが十分でなく、手続きに適切性、透明性が欠如していた」と指摘した。これを受け新設される「調達等審査委員会」は、弁護士など複数の社外委員らで構成。工事発注ほか、自治体などへの寄付金、地域振興への協力金なども抽出審査し、概要を公表する。

 また、不適切な事象が判明した取引先に厳正に対処するとして、第三者委報告書で名前が挙がった▽吉田開発(高浜町)▽オーイング(同)▽柳田産業(兵庫県)▽塩浜工業(敦賀市)-の4社を、30日付で指名停止とした。匿名で記された別の4社についても、指名停止を含む対処をとった。8社に対し再発防止策の策定を求めており、内容を見て契約再開を判断する。今後の発注は、全件を調達等審査委で審査する。

 閉鎖性を指摘された美浜町の原子力事業本部については、コンプライアンス(法令順守)を所管する本部長代理を6月をめどに設置。取締役会などを定期的に同本部で開いたり、他部門との人材交流を進めたりして風通しの良い組織とするとした。

 委員会に限らず、社外の人材を幅広く登用する。会長を社外から起用するほか、会社の統治形態も社外取締役の権限が強い「指名委員会等設置会社」に移行することとした。

 福井市で会見した原子力事業本部の下川浩一副事業本部長は「地域共生の理念は今後も変わらない。透明化したルールの元で引き続き地元重視でやらせていただきたい」とした。

 31日には森本孝社長が来県し、杉本達治知事らと面談する。

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