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 南米ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカを2014年から追いかけ続けたドキュメンタリー。監督は、ボスニア紛争をきっかけにユーゴスラビアの歴史を寓話的に描き、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞した映画『アンダーグラウンド』で知られる名匠エミール・クストリッツァ。祖国の分断という辛い経験をした監督が、心底惚れたムヒカ元大統領の魅力に迫った作品です。

 ムヒカ大統領のこと、恥ずかしながら私は知りませんでした。彼は大統領としての収入のほとんどを自国の貧しい人々のために寄付し、自分自身は農業をしながらスローライフの生活を送ってきた方。言葉だけではなく、行動も100パーセント国民ファーストな生き方をしてきた彼の姿は一人の監督の心を動かし、結果、映画は大統領の仕事ぶりのみならず、彼の人となりにも迫ります。ムヒカは辛い少年時代を過ごし、極左のゲリラ組織の一員として戦ったのち軍事政権側に13年近く収監され、その後大統領となりました。

 ムヒカ大統領は、同性婚、大麻、妊娠中絶を合法化して話題を呼んだのです。ぺぺという愛称で国民に親しまれた大統領。「国民に選ばれた者は、国民と同じ暮らしをするべきだ」という信念で、常に弱者に寄り添ってきた大統領の姿を見ていると、愛されるトップがいるからこそ、自分の国を愛することができるのだろうなと改めて思えました。★★★★★(森田真帆)

監督:エミール・クストリッツァ

3月27日(金)から全国順次公開

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