20年ほど前のJR福井駅舎。ホテルや飲食店、土産物店が入っていた

 福井県福井市の福井駅が開業した1896(明治29)年から北陸新幹線高架事業が進む現在まで、姿を変える同駅周辺や福井市街地の景観をメインに、市民生活の様子を収めた記録映画「福井駅前物語」が完成した。映画愛好家団体が貴重な資料映像や写真を編集し、約120年間のまちの軌跡をまとめた。3月23日、福井市のハピリンで完成上映会が開かれる。

 同市を中心に30代から70代までの8人でつくる愛好家団体「ふくい映画制作倶楽部」が4年掛けて製作した。

 映画などの照明技師だった同倶楽部代表の松井博さんは2014年、40年ぶりに東京から地元にUターン。駅周辺では東口にアオッサが立ち、西口にはハピリンが建設中で、記憶に残る「福井の顔」とは全く異っていた。「変化を記録として残さなければ」と翌年、倶楽部を立ち上げ、素材となる資料探しに奔走した。

 福井市や福井県が保存している昔の映像や、テレビが普及する前に映画館で上映されていた「福井新聞ニュース」などを利用。駅周辺の景観を映像で記録している山元輝秋さん(同市)の協力などもあり、計約150時間分が集まった。

 映画は昭和初期を中心に、明治中期から時代を象徴する出来事の写真、映像を使い111分にまとめた。連合国軍総司令部「GHQ」が空撮した福井地震(1948年)の映像には、市中心部の壊滅的な被害や、郊外へ逃げまどう人たちの長い行列などが映されており、松井さんが飛行機の音を重ねて脚色した。

 急ピッチで進む北陸トンネル工事(59年)や、三八豪雪(63年)で除雪にあくせくする市民の姿も。1巡目の福井国体開会式(68年)からはカラー映像に。足羽山から見た市内の街並み、動物園など過去と現代の映像を並べて、変化が一目で見て取れる工夫もした。

 島倉千代子さんが歌うオリジナルの「いっちょらい節」も懐かしい雰囲気に一役買っている。松井さんは「多くの苦難を乗り越えてきた福井の足跡を見ていただけたら」と話している。上映会は午後1時半、同4時半、同7時半の3回。入場料は大人千円、高校生以下500円。倶楽部は出張上映会を受け付けている。

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