ラニイ福井貨物 株式会社 代表取締役社長 藤尾 秀樹氏

  ピンク色のロゴマークでおなじみの「ラニイ福井貨物」は創業92年。主な県内企業の物流を一手に引き受け、海外にもネットワークを持つ。今年の年末には、本社機能を備えた巨大な総合物流センターが完成。ワンストップの総合物流へ新たな展開が始まる。

(聞き手/吉田真士・福井新聞社代表取締役社長)

 

〝運送〟から〝物流〟へ攻めの姿勢。 

吉田 昨年6月の社長就任と同時に、社名を変更されましたね。

藤尾 「ラニイ」は1990年からの愛称で、「RUN(走る)」と「UNITE(団結する)」からなる造語です。一般にもかなり浸透しているし、いい機会だと。
 
吉田 ピンク色のロゴマークのトラックもよく見かけます。

藤尾 トラックの保有台数は県内最大級です。今年の年末には福井インターチェンジ近くに社屋を移転し、本格的に業務拡大を図ります。
 
吉田 具体的にどう変わるのですか。

藤尾 荷物を運ぶだけでなく、倉庫での保管や出荷前の流通加工なども含め、荷物の流れ全体をコントロールする総合物流へ転換します。大型の保冷倉庫を導入しチルド食品にも対応可能。インターが目の前なのでスピードアップと効率性アップが実現します。

吉田 物流にも今後AIなどの導入が進むのでしょうか。

藤尾 トラックなどの自動運転や荷物の仕分けなど、劇的な変化があるでしょう。しかし、当社の一番の強みは「特別積み合わせ」といって、エリア内の複数の企業の荷物を混載して運べること。大きさや形、材質もバラバラで配送先も違う荷物を効率よく詰め合わせて運ぶのは、経験に裏打ちされた人にしかできないと思います。

 

サービス業としての商品を磨く。 

吉田 この時期、大きな投資に踏み切った理由は。

藤尾 北陸新幹線開業等を控え、企業の動きが活発化する。それを見越しての準備ですね。経営の見直しも進め部門別の収支把握を徹底し、ここ5年で売上は2割増、経常利益は15倍になりました。

吉田 すごい伸びですね。どんな手を打ったのですか。

藤尾 10年前に私が入社した時は、運送業界の状況も悪く、当社の経営も良いとは言えませんでした。ドライバーたちも荷物を運ぶだけが仕事という意識。そこでまず、みんなで会社をきれいにしようと呼びかけたんです。

吉田 清掃ということですか?

藤尾 はい。職場が汚れていては車両・荷物事故が多発します。実際、事故のないドライバーの車内はきれいに整っています。恥ずかしながら当時は敷地内のあちこちに小さなゴミや吸い殻が落ちていましたが、今は一切ありません。

吉田 まずは従業員の意識を変えていったのですね。

藤尾 私たちはサービス業。荷物の扱い方やお客さまへの接し方など、すべてが大事。そのために必要な車や社屋、従業員は、当社の商品としてしっかり磨かないと。社員には会社としてのフィロソフィを明示し、朝礼で読み上げて意識改革を図っています。内容は「利他の心を持つ」「両極端をあわせもつ」など、いたって道徳的なことですが。

吉田 反応はどうですか。

藤尾 意外と前向きな感想が多かったですね。そうして意識が変わると、仕事の効率も上がり、業績につながっていったのだと思います。当社のドライバーは、現場でのお客さまからの評判が大変良く、それがそのまま営業活動になっている。評価が良ければずっと使っていただけるし、社長が営業するよりずっと効果があります。そうした行動指針を昨年、「ラニイフィロソフィ」として手帳にまとめ従業員に配布しました。

 

トラックに子どもたちの絵を貼った「こどもミュージアムトラック」(メイン写真)は「心理的な効果なのか、この車の事故はゼロ。今後はすべての新車に導入する」と藤尾社長。

 

「ワンチーム」で福井の物流を支える。 

吉田 県外への積極的展開は考えていないのですか。

藤尾 まずは福井をさらに深掘りします。県内にはグローバルに活躍されている優秀なものづくり企業が多い。そこを支えることで、当社のビジネススケールもまだまだ大きくなっていける。当社は通関業務も請け負い、海外輸送に関してもしっかりした提携網を持っている。国際的な物流ルートの構築でも、スピード・品質など要望に応じた提案が可能です。

吉田 国内だけでなく海外の提案まで。まさに総合物流です。

藤尾 就職説明会で学生さんに話すと「そんな面白い仕事ができるんですか」と驚かれるんですよ。もっとPRしないとだめですね。お客さまの利益につながる提案をどんどんして、「福井の物流ならラニイと取引しないと損だ」と言われるようになりたいです。

吉田 新社屋がその拠点になるわけですね。

藤尾 うちは代々「誠実な経営」が信条。社員の幸福を追求しつつ、全社一丸となりお客さまと地域社会に貢献したい。例えるなら、ラグビーの「ワンチーム」の精神です。

吉田 そういえば社長は花園にも出場したラガーマンでした。

藤尾 ラグビーは仲間を思いやりながら後ろにパスをして前進する究極の利他のスポーツ。それは、思いやりの心で荷物を次へとつなげる物流と非常に似ています。福井の企業、いや福井のために、できることは何でもさせていただくつもりです。

 

ラニイ福井貨物 株式会社

 

ラニイ福井貨物 株式会社

本社/福井市西開発3丁目204-3
TEL.0776-54-3001
www.runi.co.jp
創業/1982年
従業員数/460人
保有車両数/350台
事業内容/一般貨物自動車運送事業、通関業(航空貨物・海上貨物の取り扱い)、倉庫業、車両整備

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