日銀の黒田東彦総裁

 日銀は3月16日、金融政策決定会合を前倒しして開催し、景気を下支えする追加の金融緩和策を緊急決定した。上場投資信託(ETF)の買い入れ強化を柱とする。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が滞り、金融市場が混乱していることに対応した。15日に追加利下げと事実上のゼロ金利政策の導入を決めた米連邦準備制度理事会(FRB)と協調した。

 18~19日に予定していた定例の決定会合を前倒しした。日程変更の理由について「最近の金融経済情勢の動向を踏まえ、必要な金融調節の検討を行う」としていた。会合の前倒し開催は初めて。

 日銀は会合に先立ち、6中央銀行協調で、市場へのドル供給を拡充すると発表した。金融機関に対しこれまでより低利でドルを貸し付ける。6中銀は日銀とFRB、カナダ銀行、英イングランド銀行、スイス国立銀行、欧州中央銀行(ECB)。感染拡大による不安の高まりから、基軸通貨のドルを確保しようと、投資家が株式などを売る動きが強まっているとの指摘がある。各国が協調してドル供給を増やし、混乱の沈静化につなげる狙いがある。

 黒田東彦総裁は市場の混乱を抑えるため、2日に「潤沢な資金供給と市場の安定確保に努めていく」とする緊急談話を発表した。日米欧の先進7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁も3日、市場の安定化に向け「協調の用意がある」との共同声明を出したが、株価の乱高下が収まらないため、日銀は定例会合を待たずに緊急に対応した。

 日銀は金融危機などの際に、定例会合とは別に臨時会合を開いているが、16日の会合は「臨時でなく、日程変更という位置づけ」と説明した。
 

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