新型コロナウイルスで影響を受ける事業者向けに設けられた相談窓口=3月11日、福井県福井市の日本政策金融公庫福井支店

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、福井県内の金融機関が設置した相談窓口に中小、零細企業からの相談が相次いでいる。問題の長期化を念頭に早めの資金繰りに動く経営者が多く、各機関は運転資金の融資や返済期限の延長などで対応している。

 ■すべてキャンセル

 「定期運行している高速バス以外すべてキャンセルになった。会社設立以来初めて」(観光バス業者)、「3月は約2千人、4月は約千人のキャンセル。売り上げは例年の半分」(旅館業者)。政府系の金融機関、日本政策金融公庫福井支店が1月29日に設けた相談窓口には、中小企業事業と国民生活事業合わせて約50件の相談が寄せられている。

 「今の売り上げが続けば4~5月にも資金がショートするので資金を手当てしておきたい、という経営者が目立つ」と担当者。融資期間が長い「経営環境変化対応資金」、飲食店や旅館業向けの「衛生環境激変特別貸付」などの制度を用意している。

 同じく政府系金融機関の商工中金福井支店の担当者は「今のところ相談件数はそれほど多くないが、日に日に増えている」。歓送迎会などのキャンセルが相次いでいる飲食店や旅館、ホテル業者などから相談が寄せられている。

 ■予想外の業種も

 地元金融機関も1月末から2月にかけて相談窓口を設置。福井銀行は「サプライチェーン(部品の調達・供給網)の混乱で製造業や、防じんマスクが手に入らないという建設業者からの相談も来ている」とし、手元資金を厚めにしたいという企業に対しては新規融資に応じている。

 「当初は予想していなかった業種にまで影響が広がっている」と話すのは福井信用金庫。コンサートなど催しが軒並み中止となったことで、会場設営に関わる電気工事業者から「売り上げ見込みが立たない」と資金繰りの厳しさを訴える声があった。担当者は「終息が来月か半年先か、先が見えないのがつらいという声が多い。この先、相談は増えていくだろう」と問題の長期化を懸念している。

 ■倒産増える可能性

 東京商工リサーチが2月7~16日に北陸3県の企業に行った新型コロナウイルスに関するアンケートでは、県内61社のうち19社が「現時点で既に影響が出ている」、28社が「今後影響が出る可能性がある」と回答。福井支店の担当者は「消費が冷え込み、さらに輸入品の調達が困難となり商品供給に支障を来す可能性もある。倒産件数が増加に向かう可能性も否定できない」としている。

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