年が改まって、早もう3月です。そんな中、不安要素の多い、閉塞的、孤立化的な方向に向かいがちな社会状況の日々が続いております。こうした状況の中で、その出口をどこに見出したらよいのか戸惑うことの多い日々でもあります。


 そんな社会の状況に加え、年齢もあってか、近年外出をはじめいろいろなことが億劫に思え、世の流れにもついていくことが大変に思えるようになってきているのです。そんな私の身近な所で、思いがけない出来事や、おもいがけない人たちとの関わりが始まってきているのです。そんな出来事や関わりに、まるで‘まだやるべきことが残されている’と言われて背中を押されているような思いもしているのです。

◆身近に起きている出来事

★「ぼく、畑をしたいのです。 歴史、昆虫、折り紙大好きです」と、小学5年生の子の言葉に共に始まった畑作り。「秘密基地を作りたいのです。その秘密基地で、魚をとても上手にさばく、じいちゃんに海で採れた魚をさばいてもらってみんなで食べたいです」と、海と関わる夢を実現することを楽しみにしている自然大好きな子。「英語や算数が得意です、勉強苦手な友達の辞書になります」と、友だち思いの子。こうした、それぞれの友達の得手、不得手を理解しながらもお互いを補い合い、つながり合っている小学生の子らの、人と人とをつなげ、身近な人たちに働きかけるその即行とパワーに驚きの日々です。


★‘おばさまの伝承料理を教えてください’という親戚の娘(こ)たちに応えて我が家に伝わる「昆布巻きづくり」からようやく始まったこれまでの私の「できるだけ素材を生かす我流料理」をみんなで楽しむ日です。周りの単身赴任の人たちをも一緒に巻き込み、料理を作りながら、みんなで健康な「食」への気づきもしていけたらと思うのです。

★そして、‘シュタイナーの読み合わせをしてください’という保育園のOBを含めた保護者の方々からの声に10年振りに月一度保育園と関わることになりました。「保育園開放をして下さい」というお母さん方からの声も届いているのです。こうした私の身近でおこる些細なことと思わされる出来事にも目を凝らし、心を澄まして耳を傾けるとき、その中に今の時代にとって何か本質的に大切なことが発信されているように思われるのです。まずはそうした出来事に真摯に向き合い、そうした出来事から発信されていることに耳を傾け正しく受け止めることから始めたいと思うのです。

◆シュタイナーからのメッセージ?

 保護者の方々との読み合わせを始めるにあたって、まず初めにどのような本から読み合わせを始めたらよいのかそのテキストを選ぶ上で困惑する状態に立たされました。なぜなら、読み合わせを希望する方たちは、既にこれまでにそれぞれが、それぞれの異なる関心や学びとの出会いから、それぞれの学びを進めてこられてきている方々だというのです。

 昔学びあった方たちとは違って、シュタイナーを学ぶにおいて初心者ではないというのです。そうした方たちとの新たな出会いは、福井の地で、シュタイナーに関する学びが、新しく若い方々にも引き継がれながら、今もなおこうして引き続き行われてきているということへの驚きでもあり、また喜びでもありました。

 読み合わせをスタートするにあたって、出発地点がそれぞれ違うこうした人たちとの読み合わせにふさわしい本とは? 読み合わせの在り方とは?という読み合わせへの根底的な模索から始まり、まずその糸口を見出すべく手元の何冊かの本を読み直してみたのです。

 そうしたなか『シュタイナーの カルマ論 カルマの開示 』(高橋巌訳 春秋社)の<第十講 人類進化の未来における自由意志とカルマ(講演日 1910年5月27日)>に書かれている文章に目が留まったのです。

 「愛と光は、すべての地上存在を貫通している二大要素、二大成分です。魂的な地上存在は「愛」であり、外的な物質的地上存在は「光」なのです。二大構成要素とは、一方では物質になった光、他方では魂になった愛のことです。

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