【越山若水】海岸で漂着物を拾い集めるビーチコーミング。きれいな海藻や流木、貝などが見つかると楽しい。だが、ペットボトルや洗剤容器、漁具などのプラスチック製品も目に付く▼県自然観察指導員の会の櫻井知栄子さんは福井市で開かれた「自然への誘(いざな)い展」で、オウムガイの殻や美しい石とともに、県内の海岸で拾ったレジンペレットと呼ばれるプラスチック製品の原料となる小さな粒数百個を展示。海洋汚染を訴えた▼こうしたプラスチックごみが今、世界で深刻な問題となっている。紫外線などによって細かく砕けた直径5ミリ以下のマイクロプラスチックは、海に漂ううち有害化学物質が吸着される。生物の体内に取り込まれることで、悪影響が心配されている▼環境問題に詳しいジャーナリスト堅達(げんだつ)京子さん(永平寺町出身)は近刊「脱プラスチックへの挑戦」(山と渓谷社)で、世界の現状や取り組みを紹介し警鐘を鳴らす。世界の海には、毎年910万トンものプラごみが流出し、このペースで増え続けると、2050年には魚の量を超えると予測されている▼石油から作られるプラスチックは、製造や輸送過程のほか、ごみとして燃焼する際にも二酸化炭素を排出する。「循環型で脱炭素経済につくり変えないと温暖化が加速し、地球の限界に達する」。ここ10年が正念場だという。一人一人の覚悟と行動が問われている。

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