地元住民が務める観光ガイド(左)から明智光秀夫妻の逸話を聞くバスツアー客=2019年12月、福井県坂井市丸岡町長崎の称念寺

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国の観光地が打撃を受けている中、福井県内の戦国武将・明智光秀ゆかりの地でもバスツアーのキャンセルが相次いでいる。光秀が主人公のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」による誘客効果を見込んでいるだけに、関係者は「越前編がスタートする5月中下旬までに終息してほしい」と気をもみながら事態の推移を見守っている。

 福井市の一乗谷朝倉氏遺跡では、3~4月で34件(バス44台分)のガイドがキャンセルとなった。マイカーで訪れる個人旅行客も大きく減少。終息が遅れれば“大河効果”が打ち消されかねない状況に、遺跡保存協会会長(72)は「世界中に感染が広がっており、どうしようもない。今は我慢」と声を落とす。

 光秀が門前で10年暮らしたとされる坂井市の称念寺は、昨年12月ごろから旅行代理店のバスツアーに本格的に組み込まれるようになった。地元住民や坂井市などが「おもてなし実行委員会」を1月に立ち上げ、受け入れに汗をかいているところに降りかかったのが新型肺炎だ。

 実行委事務局の市観光連盟によると、3~4月に入っていたバス63台分のガイドの予約はほぼ全てキャンセルに。ガイドを務める住民からは「人が集まらないようにとこれだけ言われれば仕方ないが、とても残念」との声が聞かれる。

 今のところ5月のキャンセルはなく、6月も予約が入り始めているだけに、連盟事務局長は「大打撃を受けているけれど、麒麟がくる越前編が始まるまでに新型肺炎が収まれば」と早期の終息宣言を期待している。

 光秀を祭る福井市の明智神社には、ここ2カ月余りで3千人を超えるファンが参拝しているが、最近は観光客の姿がまばらになってきたという。神社奉賛会の男性(65)は「早く収束し、あけっつぁま(明智様)の情け深い人柄を多くの観光客に知ってもらいたい」と話していた。

関連記事