消毒液をボトルに入れる職員。使用量は例年より多いという=3月3日、福井県越前町朝日の光道園「第三光が丘ハウス」

 新型コロナウイルスの感染が全国に広がる中、福井県内の高齢者施設では、消毒液やマスク、ゴム手袋の不足が懸念されている。複数の施設は「1カ月分の在庫はあるけれど、その先が見通せない」と口をそろえる。多くの施設が原則面会禁止とするなど、重症化リスクの高い高齢者への感染を防ぐため、細心の注意を払っている。

 ■見通し立たず

 職員は頻繁に手洗いし、その後に消毒。業務用の車を使った後のハンドル、施設内のドアノブや手すりなどもこまめに消毒液で拭き取る。特別養護老人ホームなどを運営する光道園(越前町)の総務二課の男性(42)は「(感染防止のために)消毒液はいつも以上に使う」と話す。

 消毒液、マスク、ゴム手袋は1カ月分ほどの在庫はあるが「それ以降の入荷の見通しは、現時点で立っていない」と男性。業者に問い合わせても「欠品」の返事が来る。特別養護老人ホーム愛寿苑(福井市)の小川弥仁苑長も「多少の備蓄はあるが、例年と違い入手が困難なので、長期化すると心配」と話す。

 こうした事態を受け、福井県議会は2日、県に対し、高齢者施設などにマスクや消毒液を配備するよう求めた。

 ある施設長は「マスクが市場からなくなり、消毒液も除菌ペーパーもなくなった。(情報に流される)群集心理が、われわれの業界に影響を及ぼしている。必要なところを優先してほしい」と話す。

 ■持ち込まない

 県内の多くの施設は現在、入所者への面会を原則禁止している。光道園では、外部の人が施設に入る場合、正面玄関に用意してある消毒液とマスクを使う。そこで体温も測り、37・5度以下であれば、入ることができる。

 「とにかく持ち込まない、持ち込ませないこと」と話すのは、サービス付き高齢者向け住宅などを展開しているシンカイ(福井市)の中村達夫社長。万一の備えについても「特に夜中に高齢者が発熱したとき、職員の対応は通常通りでいいのか不安」と指摘する。

 県外研修などを取りやめ、異動の歓送迎会を見送った施設もある。ある施設担当者は「職員が感染した場合、濃厚接触者ということで複数の職員が長期で休むことになるだろう。そうなると運営が難しくなる」と懸念した。

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