福井県若狭町で越冬したタンチョウ=1月、若狭町成出(提供写真)

 国の特別天然記念物タンチョウが2019年12月初めに福井県若狭町へ飛来、20年2月下旬まで2カ月余り過ごして越冬した。国内では主に北海道東部に生息しており、本州での確認は珍しい。日本野鳥の会福井県によると、県内での長期滞在は1974年以来46年ぶり。

 タンチョウは野生のツルで唯一、国内で繁殖する。全長約1メートル40センチ、翼を広げると2メートル40センチ前後あり、国内の鳥類で最大級という。江戸時代まで北海道各地に生息し関東でも見られることがあったが、乱獲や生息地の湿地の開発などで一時は数十羽まで激減した。ロシアや中国東北部に生息する個体は、朝鮮半島や中国南部で冬を越すという。

 日本野鳥の会福井県の小嶋明男副代表によると、19年12月3日に若狭町成出の三方湖近くの田んぼに飛来しているのを見つけた。羽の先端部がわずかに黒く、頭頂部の赤色もやや薄いことから、生後2、3年目の若鳥とみられる。大陸の個体が渡りの途中で季節風に流された可能性があるとしている。

 タンチョウは田んぼの一つをねぐらにして、周囲で盛んに餌を食べていた。小嶋さんらはできるだけ静かな環境で越冬させようと、地元の農家や写真愛好家らに情報を広めず見守るよう呼び掛けた。

 近くの農道を通らないようにしていたという農業の男性(54)は「体が大きく、遠くからでもよく目立った」。1月に撮影した町内の男性(67)は「美しく、迫力があった」と話した。

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