福井地裁=福井県福井市

 2018年2月に生まれた双子の妹が翌日死亡したのは医師が出産前の診断を誤ったためとして、福井県小浜市の両親が、同市の医療法人と理事長の医師に約4900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが3月4日、福井地裁であった。武宮英子裁判長は「適切な診断と転医勧奨が行われていれば妹が死亡することはなかった」と病院側の過失を認定、全額の支払いを命じた。

 訴状によると、母親は法人が開設する病院で二卵性双子の妊娠と診断され、出産した。妹は低体重児で、搬送先の別の病院で疾患リスクの高いタイプの一卵性によくみられる循環血液量の不均衡による疾患と診断され、翌日死亡した。原告側はリスクの高い妊娠との診断は可能で、出産前に高次医療施設に紹介すべきだったなどと主張。被告側は賠償額の算定を争っていた。

 判決理由で武宮裁判長は「医師は疾患リスクの高いタイプの一卵性との所見があったのに誤って二卵性と診断した」と指摘。「低体重児の管理が可能な施設へ転医を勧めたり、そのような施設と連携したりすれば疾患を発症しても治療できた」と判断した。

 判決を受け、両親は代理人を通じ「たとえ遠くだったとしても適切な医療を受けられる病院を勧めてほしかった。今後このようなことがないようにしてほしい」とコメントした。被告側は「コメントすることはない」としている。

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