看護師ら医療従事者が不足した場合、診療を制限する可能性があることを通知する文書=3月2日、福井県鯖江市の公立丹南病院

 新型コロナウイルスの感染防止を目的にした臨時休校措置を受け、福井県内の医療機関では、幼い子どもがいる看護師ら医療従事者の確保に懸念が広がっている。「診療制限」に踏み切る可能性があることを通知する病院も出てきており、県は3月2日、臨時休校に伴う医療機関への影響の調査を始めた。

 「現時点で影響はないが、休校が長期化したり、保育園も休園対象になったりして出勤できない看護師らが増えれば、診療体制が維持できなくなる」と話すのは公立丹南病院(鯖江市)の総務担当者。同病院は安倍晋三首相が休校要請を表明した翌日の2月28日、独自の判断で「緊急診療体制のご案内」と銘打った文書をホームページに掲示し、その後、外来玄関にも貼りだした。

 「急を要さない診療を控えてください」「医療従事者不足に伴い、受付時間以外の軽症患者の受け入れをお断りする場合があります」「急な休診や、手術や検査予定の変更をお願いする場合もあります」。文書は診療制限に踏み切った場合の理解を求める“事前告知”といえる内容だ。

 同病院の医療従事者は約360人で、そのうち看護師は200人弱。小学校低学年や幼児の母親も多い。臨時休校の影響により、北海道帯広市の病院では看護師が子どもの世話などで出勤できなくなり、外来診療を縮小した。丹南病院の担当者は「今後の状況によって看護師が確保できないと、平日午後からの総合診療外来などに対応できなくなるかもしれない。通知が取り越し苦労になればいいのだが」と話した。

 一方、県地域医療課は県内84の医療機関を対象に、休校措置に伴う影響について調査を始めた。診療体制の安定的な維持に向け、人員確保状況などの情報を収集する。

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