鼻の中の粘膜を焼くレーザー手術の一例(福井赤十字病院提供)

 福井県内でもスギ花粉の飛散が始まり、花粉症シーズンに突入した。数ある治療法の中で、鼻の粘膜をレーザーで焼いて硬質化させ、鼻づまりの症状を抑える手術がある。効果が続くのは2~3年だが、レーザー手術は比較的短時間で済むのが特徴。福井赤十字病院(福井県福井市)の大澤陽子・耳鼻咽喉科部長は「鼻づまりに悩む人は選択肢の一つとして考えてみては」と話している。

 この治療法は以前からある「下鼻甲介レーザー焼灼術(かびこうかいレーザーしょうしゃくじゅつ)」で、鼻粘膜にレーザーを照射して瘢痕化させ、アレルギー性鼻炎を軽減させる。大澤医師によると、アレルギーの原因物質にかかわらず、特に鼻づまりのアレルギー性鼻炎に効果が期待できるという。手術は数十分、局部麻酔や術後の安静を含めても2時間程度で済む。

 ただし鼻粘膜が徐々に再生するため、鼻づまりを抑えられるのは2~3年間と限定的。くしゃみや目のかゆみの解消にはならない。術後は一時的に出血したり鼻粘膜が腫れたりして、効果が出始めるのは数週間後になる。

 同病院では2019年末、最新型の炭酸ガスレーザー装置を導入。鼻の奥まで表層を薄く処置できるようになり、鼻づまりに悩む患者向けに積極的に活用していく方針という。健康保険に適応しており、同病院の場合は午前中に手術した後、安静にして夕方退院する日帰り入院(予約制)で対応する。

 花粉症を含むアレルギー性鼻炎に対しては、原因物質を少量取り込んで徐々に体を慣れさせる「舌下免疫療法」や、鼻の中の骨を削って鼻の通りを良くする「下鼻甲介骨切除術」などもあるが、舌下免疫療法は3年程度必要で、花粉の飛散期中の治療は避ける。下甲介骨切除術は1週間程度の入院が要る。

 大澤医師は「花粉の飛散時期が過ぎると、治療への関心が薄れる人も多い。かかりつけ医に相談して、症状や事情に合った治療法を選択してほしい」と話している。

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