持ち出し用のノートパソコン(手前)から社内用のノートパソコン(奥)にアクセスすれば、出社しなくても遠隔で作業できる=福井県福井市高木中央2丁目のシナジー経営

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、会社に出勤せずに自宅などで仕事をするテレワークへの関心が福井県内でも高まっている。もともとは働き方改革の一環で広まってきているが、感染症の流行時や災害時にも有効とされ、テレワークを支援するソフトを販売する企業には問い合わせが殺到。東京に拠点がある企業では、一気に活用が広がっている。

全国から相談殺到2週間で28万件

休校、福井県内企業対応急ぐ

 セキュリティーソフト開発・販売のビットブレイン(本社福井市)は1月末、外部のパソコンから社内パソコンに安全に接続できるソフトの無料提供を期間限定で始めたところ、全国から問い合わせが寄せられている。件数は感染拡大に伴い増えており、多い日には3万件超に上るという。

 ■危機管理

 企業の研修や人材育成を担うシナジー経営(本社福井市)は、昨年12月にビットブレインのソフトを導入し、社員1人が月に2、3日、テレワークを試験運用している。当初は働き方改革を主眼に導入したが、北出慎吾社長は「多様な働き方を用意しておくことは、会社としてのリスク管理につながる」と、災害時などにも有効であることを強調する。

 経営コンサルティングを手掛ける同社には2月以降、県内企業からテレワークに関する相談が増えており「新型コロナウイルスの感染拡大を機に、働き方改革も見据えて導入を検討する機運は高まっている」という。

 ただ、導入に向けては課題もあるといい「勤怠管理の仕組みや仕事する場所をどこにするかなど、ルールを決めておかないとトラブルがあったときに対処できない」と、就業規則の変更など一定の準備が必要と指摘。「県内ではテレワークができる体制になっていない企業も多い。自社で実践しながら、課題も含めて情報提供していきたい」と話している。

 ■運用拡大

 首都圏での感染拡大に伴い、県内企業の東京支社などでは、テレワークの活用が拡大している。

 ソフトウエア開発の永和システムマネジメント(本社福井市)は、東日本大震災後の2012年からテレワーク制度を導入。クラウドサービスやウェブ会議システムなどを取り入れ、原則週2日、月8日以内の運用で続けてきた。

 今回の感染拡大を受け、2月17日に支社を含む全社員に対し、時差出勤や必要に応じて在宅勤務への切り替えを促す通達を出した。「東京支社は出社する社員が少なく、テレワークを使っている」と担当者。取引先がウェブ会議などを求めてくるケースもあるという。

 福井で創業して東京に進出した、ウェブサイト制作などのインフォネットは、2月19日から都内の本社の社員を原則、在宅勤務とした。テレワークは東京五輪に向けて昨年から準備してきたが、新型肺炎対策として急きょ本格導入に踏み切ったという。

 「リスク軽減と社員、関係者の安全確保が目的。当面3月末まで運用する予定」と担当者。今後の感染拡大の状況によっては、福井支社(坂井市)でも対応したいとしている。

関連記事