情報公開で開示された聞き取り調査票(右)と書面調査票。回答部分は全て黒塗りだった

 福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から福井県の歴代幹部らが金品などを受け取っていた問題で、県調査委員会(事務局・総務部人事課)から聞き取り調査を受けた県職員・退職者の7割以上に当たる162人を県職員が担当していたことが、福井新聞の情報公開請求で分かった。かつての部下が面接したケースもあった。開示した回答部分は全て黒塗りだった。

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 福井新聞の情報公開請求で、昨年10~11月に行った聞き取りの調査票218人分と高齢、病気などを理由に書面でやりとりした95人分の計313人分の回答資料が開示された。回答部分を除く調査日や対象者の当時の役職、調査員名、質問の項目は公開された。

 218人分の聞き取り調査票によると、74%に当たる162人を県調査委の事務局となっていた総務部の部長と副部長、人事課職員が担当していた。

 調査委の藤井健夫委員長ら県顧問弁護士の委員3人による聞き取りは56人だった。報告書では特別職、部長、嶺南振興局長、小浜土木事務所長の経験者らに対しては「原則として弁護士3人が直接聞いた」としていたが、西川一誠前知事ら23人には職員が実施していた。西川氏以外の22人は▽副知事4人▽土木部長5人▽農林水産部長9人▽小浜土木事務所長4人。

 313人分の回答資料には本人の署名、押印の欄があるが、12人分は空白だった。人事課によると、この12人は職員が電話で聞き取った。西川氏もその一人だった。

 総務部が聞き取り対象者の7割以上を担当したことについて人事課は「早期に調査結果を県民に明らかにする必要があると考えた。県外在住者もいるので、時間的な面を考慮し優先順位を付け対応した。聞き方を統一し、結果は顧問弁護士に報告した。第三者性と客観性は確保している」とした。その上で「昨年の12月県会で説明でき、再発防止策として県職員倫理規則も策定できた」としている。

 これに対し、弁護士ら有志でつくる「第三者委員会報告書格付け委員会」委員で、企業監査に詳しい青山学院大の八田進二名誉教授は「説明責任を果たすには独立性、中立性が大前提なのに、職員が身内を調査したのでは話にならない」としている。

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